2019年10月27日

保山耕一さん 第4回「時の雫」上映会

保山さん月一(つきいち)上映会が10月5日(土)奈良公園バスターミナルでありました。今回のテーマは「奈良公園」。ならどっとFM「岡本彰夫の奈良、奥の奥」公開ラジオ収録!に、奈良公園から衛星回線を繋いでの中継!保山さん、毎回毎回趣向を凝らしてパワーアップ。お客様は今回もまた保山さんの映像、トークと企画に魅せられていました。

まずは「今日も夢みたいです。皆さんにお会いできるのをすごく楽しみにしていました。皆さんのお顔が見られて心から嬉しいです」と。そして、「30年以上前からテレビ番組をやっていました。『○○○ぷいぷい』は立ち上げからやっていて、昔は2〜3か月に一回特番というのがあって、今日はそんな風に「特番!」みたいにスピード感持ってパッパッパッとやりたいです(笑)今日も皆さんのお陰で、皆さんのお気持ちをいただいて、奈良の魅力を発信していきます」と始まりました。

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オープニングは、すみかおりさんオリジナル曲の生演奏『時を超え』にのせて
―  真っ赤に咲き誇る彼岸花の映像  ―


そして、次にご紹介された話は・・・
「以前、国際がんセンターでがん患者の方々の前で、グランドピアノの生演奏で上映したものです。東京の日本一大きなガンセンターで月一回のロビーコンサート。ロビーにベッド20台ほど運んできて、点滴治療してはって、末期患者の方もいらして・・・みんなで集まって生のグランドピアノの音で・・・もう涙止まらなくなりました」
「録音した音楽もいいんですけど、心の奥にまで届くのが生の魅力なんです。ものすごく影響があります。そして、泣いた後にまた前を向く。希望に満ちた曲でお届けします」

―映像『希望の夜明け』―

(野上朝生さんオリジナル曲のキーボード生演奏と木塲孝志さんの二胡の音色。お客様は保山さんの映像とのコラボに魅了されてうっとり!)


そして、保山さんより今回配布のちらしをご紹介。ここではいつも耳寄りな情報があります。12月7日の上映会は、保山さんいわく「ありったけの予算をすべて投入し、吉野山桜まつりをやります。僕の夢はここを桜吹雪でいっぱいにする!そのためにダイソンのコードレス掃除機、買おうかなぁって思てます(笑)」「金峯山寺、全面協力で岡本彰夫先生と五條良知管長の特別対談。映像を使って、疑似『護摩焚き』も。お楽しみに!!」
また来月の11月2日上映会は「大和の月」(サプライズでスペシャルゲストもいらっしゃるようですよ〜!)

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さぁ、そして、ならどっとFM『岡本彰夫の奈良、奥の奥』。始まりは、講談師四代目玉田玉秀斎(たまだぎょくしゅうさい)さんのタイトルコールでムードは一気に高まり、ラジオの世界に誘われます。

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と、ここで、手向山八幡宮からの中継、シンガーソングライターの大垣知哉さん。今回は玉田玉秀斎さんのお弟子玉山(ぎょくざん)さんが奈良公園から鹿せんべいの正しい与え方を衛星中継!保山さんいわく「こんな近くで生中継、『○○○ぷいぷい』ではできないでしょ」と(笑)
そして、岡本先生「外国人が鹿を抱えようとすると事故をする。鹿を人間の世界に引きづり入れたらあきません。これが難儀なことですわ」と。

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そして岡本先生は南都八景を一つずつご解説下さり、興福寺三宝や木魅塚(きみづか)など、あまり知られていない深〜いお話もして下さいました。また、春日大社一之鳥居の榊が左側にだけあるのはなぜか?というお話などがありました。

少しご紹介しますと…『大和名所図会』(=江戸時代の奈良の風景がこれでよくわかるとのこと)に書かれている春日大社一之鳥居のこと。

「春日大社一之鳥居には左側にしか榊が立てられていない。これは江戸時代の節用集(せつようしゅう、=百科事典みたいなもの)を見ても必ず左側だけです。(祭りの時だけは両方に立ててある) これはなぜかを随分、理由を探したんですが出てこない。」
「『時廉(トキカズ)卿記』という春日大社神主さんの大中巨時廉という人の書いた懐中本に唯一理由が書いてありました」(何々…??と会場はシーンと静まり返っています)

「それは興福寺には興福寺の三種の神器みたいな『興福寺三宝』というのがあります。その一つが『面向不背の玉』といいまして、これだけが早くになくなった。これは、水晶の玉の中に釈迦三尊像が入っていまして、どこから見ても正面に見える。

ところが、これが春日さんの一之御殿の下にそれが入っとると言うんですな。そこで善女(ぜんにょ)龍王様がその玉を欲しいと毎日猿沢池からお出になって、一之鳥居に横たわりはるというんです。蛇体を鳥居の一番上の笠木(かさぎ)に横たわらせはるんです。そうすると蛇体の頭が北に向くから御身が南に向くんですわ。そうすると南に榊を立てたら腹をつくさかいに申し訳ないから榊をはずしたっていう伝承がございまして」(会場内は、へぇ〜!と感心と驚きの声) 「それで、私が辞めます前に、今の花山院宮司と相談しまして、このしきたりを残しましょうということになりました。」

保山さんは感心しながら「これ、岡本先生が昔の本を読んで起こされた話なんですか?」と質問されると「そら何年かかったかわからしません。こんなん見たら誰でも妙やなと思わないかんけど、だ〜れも質問しはらへん(笑)」保山さん「片っ端から資料を読んだってことでしょ?」「どこにあるかわからしませんから、膨大な資料を調べてみたら、たまたま出てきたけど3〜4年かかりましたわ」(と、なんともすごい話‼)
「どこかで言うとかんとね。」と岡本先生のとっても貴重なお話を生で聞かせていただきました。司会者の中川直子さんも「これは皆さん、ぜひ広めて下さい」とおっしゃっていました。

(詳しくは同番組、11月4日(月)15時〜16時、再放送11月8日(金)20時〜21時をお聴き下さい)

そして、玉田玉秀斎さんの今回、初公開の講談は『奈良の鹿物語』。兄弟鹿、シン兄ちゃんこと「シン」とチビロクこと「ロク」の成長物語in奈良。

岡本先生は「現代は神仏を畏れないようになってきている。かろうじで奈良はまだ残っているから大切に!」と言われて、以前、テレビ『素晴らしい宇宙船、地球号』で奈良公園のフンコロガシを取材に来たテレビ局の人の話をされました。「高畑でランドセルの小学生と向こうから来る巨大な野生の鹿。どちらも振り返らずにすれ違うところがすごい‼」と奈良を絶賛されたそうです。「世界に誇れる奈良」と岡本先生はおっしゃっていました。

そして、保山さんは次回・秋の公開録画は11月23日(土・祝)国営飛鳥歴史公園・四神の館とご紹介されました。国営飛鳥歴史公園HPよりお申込みいただいた何人かには保山さん撮影の飛鳥のDVDを無料でプレゼントして下さるとか・・(詳しくはHPをご覧ください)

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その後、奈良公園バスターミナル竹田室長のまほろばワンポイント講座は「奈良公園と春日山原始林」でした。神秘の森の原始的な生き物との共生、ナギ・ナンキンハゼのナラ枯れの被害、行政・地域・NPOでの植生の保護策など、100年・200年・1000年と続いてほしいとのお話がありました。

岡本先生からは「今、ボコボコにやられてますやん。改善を(笑)」と言われ、「まぁ気をつけや。バスもよろしくな!(笑)」と励まされていました。

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と、ここで当会鉄田専務理事のご出演!岡本先生とは10何年前から親しくされていて、当会第2回総会でご講演をしていただいたとか。春日山で首つりがあったら神様が嫌いはるという『春日山の天狗風』のお話や春日山の木々が一気に大量に枯れ始める現象(日本に悪いことがあると必ずこれが起こると言われ、たいへん畏れられた)が起こった時、神事を行うと必ず木が元に戻るという『山木枯稿(さんぼくここう)』のお話がありました。(会場のお客様は、へぇ〜!ほぉ〜!と驚かれていました)

すると今度は会場が一気に薄暗くなり、ならどっとFMの中川直子局長の絵本朗読。実は中川局長、35年も前から体のご不自由な方の朗読の指導をされているそうで『しろちゃん』は30年も前の悲しい実話です。保山さんは「よくニュースでレジ袋を食べて鹿が死んだことをインバウンドの外国人の観光客が増えたせいにしていますが、実は30年以上も前から、こういうことはあったんだということを語り継ぐためにもこの本を選びました」と。(そして木塲さんの二胡演奏が流れる中、会場内は『しろちゃん』の世界にグングン引き込まれていきました。)

さあ、そして岡本先生より今月のまとめのお言葉は・・・「『灯台もと暗し』ですな。奈良公園ってこんなに奈良時代からの縮図がある‼ ところが案外振り返る機会がない。奈良公園は春日山から春日野、奈良の町に至るまでの広大で1200年の歴史が凝縮した場所。もう一度1200年の歴史ある奈良公園、足元を振り返ってみなあきまへんな」と。

ラジオ収録後はお神輿担ぎから戻って来られた大垣知哉さん、奈良公園から玉山さんも帰ってきて、出演者全員で保山さんの映像を見ながら、会場の皆さんも一緒に「ふるさと」を大合唱!!!

―   休憩タイム  ―

(会場の外では、現在ベストセラーになっている『奈良百寺巡礼』(今回は鉄田さんの落款とサインが超レア物)、鹿の絵本『しろちゃん』、次回上映会のチケット、カンパの保山さん映像DVD、木塲さんのCD等が販売され、どこも大賑わい!)

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さぁ!後半は当会・豊田敏雄理事長のご登壇から始まります。
「奈良まほろばソムリエの会とはどんな会ですか?」と司会者に聞かれた豊田理事長。当会のここまでの歩みと「毎年だいたい40人ずつ増えて、現在420人弱くらいで、奈良をよく知っていただき、歴史に親しんでいただこうという活動をしています。」とご説明。また「この上映会が、保山さんファンとソムリエの会のファンでいっぱいになりますように」とおっしゃっていました。

―  奈良百寺巡礼  <正暦寺 > 映像  ―

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そして、正暦寺・大原弘信ご住職と鉄田憲男専務理事のご登壇。
大原ご住職は、孔雀明王のお話をされ「いい仏像は大小関わらず、近づくといいものがありますね〜」と。「山にいると自然の摂理を教えてもらいます。難しいお経よりも山に教えてもらう、自然が教えてくれるということもあります。花も人間も弱っていくということは、終わっていくということ。そして、それは次のことが始まるということ」と…。「枯れた花にも美がある」山にいると自然の摂理を教えてもらうとご住職。植物のお手入れ、木の剪定をご自分でされる大原ご住職のことを素晴らしいと尊敬されていた保山さんの言葉が浮かびます。


そして、司会の中川さんから「正暦寺と言えば、お酒!」とお酒の話が出ると、すかさず鉄田さんが「正暦寺といえば、ポイントは二つ‼、『錦の里』と『清酒発祥の地』です」と。

「正暦寺独自で作るお酒の母と書いて酒母(しゅぼ←これはお酒を造るアルコール発酵の元)というものがあり、こちらで造るのは『菩提元』(ぼだいもと)。これは、室町時代にここで初めて造られたと文献に出てくる独特なもの。」だそうです。「毎月1月上旬に酒母の仕込みが行われます」ということで、「来年は1月11日(土)。12日の奈良検定の前の日です。(笑)」と。

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そして、鉄田さんが大原ご住職とお話をされる中で、すごく興味を持たれたというのが「正暦寺は、流れる川あるいは湧き水に特長があるんです。匂いはカルピスみたい」と。
「自然の乳酸菌がそこにあるんです。酒造りで大事なのが、麹菌、酵母菌、乳酸菌と言われます。あとは皆さんの努力です。」と教えて下さいました。

正暦寺は、11月3日〜12月1日に白鳳仏の秘仏公開があり、本堂を開けて拝観できます。紅葉の景色が美しい時ほどお寺のお忘れ物が多いようで、「忘れ物の多さでその年の紅葉の美しさがわかるんですよ」とご住職。「11月20日から月末がきれいです」とのことで、正暦寺のお酒も販売されます。鉄田さんは全種類飲まれたことがあるとか(さすが‼)

ということで、今回の様子は、ならドットFM『岡本彰夫の奈良、奥の奥』11月4日(第1月曜日)3時〜4時、再放送は11月8日(金)20時〜21時に放送されます。ぜひお聴き逃しなく!です。

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次回11月2日(土)は「大和の月」。奈良百時巡礼は般若寺で、当会理事の石田一雄さんのご登壇です。次々に奈良の魅力を発信される保山さんの月イチ上映会!皆様お誘い合わせの上お越しいただき、どうぞお楽しみ下さい。

写真:松森重博理事、鉄田専務理事   文:広報部 増田優子

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2019年10月15日

女性グループ(ソムリエンヌ) 「初秋の馬見丘陵」

10月7日、少々暑すぎるほどの秋晴れの中、ソムリエンヌ7名で、北葛城郡河合町から広陵町にかけて広がる馬見丘陵を訪ねました。

10時に池部駅を出発して、馬見丘陵公園緑道を、ころころ転がるどんぐりを踏みながら歩き、途中、旧石器時代の石器類が6400点も出土したという馬見二ノ谷遺跡でしばしタイムスリップして、30分ほどで馬見丘陵公園に到着しました。

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青空の下に広がる緑の芝生と色とりどりの花々に出迎えられ、まずは皆それぞれに、花の中の散策、写真撮影に夢中になりました。ダリア、コスモス、日日草、ベゴニア、サルビア、芙蓉、なんて名前だったか思い出せない花がいっぱいです。

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<約120品種1000株のダリア園>

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<中央エリアに広がるコスモス群>

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<珍しいほうき草の一種コキア>

予定していた公園内カフェが臨時休業のため、公園の外に出てアジアンフードのランチを楽しんだ後、去年のソムリエンヌの新年会でも大和ハープの演奏を披露して下さった、井藤和美先生のハープ工房を訪ねました。いろんなサイズ、また材料の異なるハープを見せていただき、ハープとギターの2重奏を聞かせていただきました。同じ楽器でも、私たち素人のつまびく音とプロの奏でる音の違いに大変驚き、音楽の奥の深さを感じました。

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1時半頃からようやく古墳見学の開始です。
まずは、奈良検定問題常連の乙女山古墳へ。全長130メートルの典型的な帆立貝形古墳ですが、草木に覆われていて、周濠らしき幅の平地の向こうに小山が見えている感じでした。

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<カタビ古墳群>

池に沿って少し歩くと、木立の下に寝転びたくなるような草原が広がっていました。ここには、カタビ古墳群という4基の小さな古墳が眠っているそうです。また、その隣には、全長60メートルの円墳、別所下古墳の小山が見えましたが、スズメバチ注意の看板が立っていて近づけませんでした。

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<倉塚古墳>

まだ緑一色の桜並木の下を歩きながら、池の向こうに、共に全長150メートル程の前方後円墳、一本松古墳と倉塚古墳の高まりが眺められました。信州の高原のような爽やかな眺めです。倉塚古墳からは、この辺りでは珍しい、2個の円筒埴輪を繋いだ円筒棺が出土したそうです。

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<狐塚古墳>

「トチノキ橋」と名付けられた、森の中の木道を通り、10分ほどで狐塚古墳に到着。全長86メートルの帆立貝形古墳ですが、中央部を県道が横切っていて、路面に緑色で、古墳の範囲が表示されています。誰もが、交通安全のための緑色だと思って走り抜けることと思います。

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<三吉2号墳>

狐塚古墳のすぐ向こうに、馬見古墳群中央群中最大の巣山古墳が見えてきました。その遺存状態の良さから国の特別史跡に指定されている、全長220メートルの前方後円墳です。2006年に周濠北東隅から、葬送儀礼に使用した喪船と考えられる準構造船の部材と推定される木製品が多数出土したことで注目を集めました。ここも今は草木に覆われていますが、小高い所から眺めると古墳らしい姿となります。
すぐ東隣に、彼岸花がわずかに咲き残っている三吉2号墳の丘があり、その上に登ると、若草山が遠望出来ました。

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<ナガレ山古墳で最後の記念撮影>

北側のダダオシ古墳を見ながら、最後の目的地ナガレ山古墳へ。東半分を築造当時の姿に、西半分を現在の姿にと復元整備された、全長105メートルの前方後円墳です。注目すべきは円筒埴輪列の数で、墳丘調査では1800本に及んだそうです。また、円筒埴輪を2列に並べた墳丘に登る「道」は、全国で初めて見つかったとのこと。現在復元されている埴輪675本中、494本が強化プラスチック製で、181本は河合町民による手作りだそうです。
墳丘上からは、春日山から、三輪山、音羽山へと連なる山容を一望でき、今日の晴天に感謝しました。

花と音楽とランチと古墳巡り、まさに五感フル回転の1日になりました。
四季それぞれに美しい花々を咲かせてくれて、しかも無料!というありがた〜い馬見丘陵公園。心も体も癒しに四季折々訪れたいと思います。


文・写真  女性グループ(ソムリエンヌ) 大谷巳弥子

posted by 奈良まほろばソムリエ at 19:43| Comment(0) | 女性G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月12日

第2回サクサクわかる万葉講座 「万葉集の花」

講師 石田一雄さん

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令和元年9月28日(土)南都銀行大宮支店ビルの4階において、「第2回サクサクわかる万葉講座」が25名の参加で行われました。今回の講師は当会理事の石田一雄さん。石田さんといえば、昨年、鑑真和上のふるさと揚州大明寺を訪ね、講演されたという探求心旺盛なお方!今回は、万葉集の花を四季折々愛でる楽しさをお話して下さいました。

まずは、鉄田専務理事より、令和・万葉集のブームに乗って、次々開催される当会のイベントを紹介されました。(詳しくは当会のホームページをご覧下さい)

その中でも、12月7日(土)はJR西日本とコラボしたウォーキングが開催されます。「JR奈良駅から巻向駅まで、4両編成・貸切の新型車両に乗ります。当会万葉集の講師・米谷潔さんが車内放送でミニ講話をしてくれます。約30分、耳を傾けながら、柿の葉ずしのお弁当をいただきがら、巻向駅に向かいます。駅からは当会ガイドグループが万葉歌碑を巡りながらご案内。我々だけの臨時列車で、他にはない当会ならではの楽しいツアーです。ご家族、ご友人お誘いあわせの上、たくさんの方のご参加をお待ちしています」。

そして、「この秋からリニューアルの奈良テレビ『ゆうドキッ!』に当会会員がレギュラー生出演します。毎週月・木曜日です。奈良の行事イベントやグルメ(狭いエリア限定のあまり知られていないお店)を紹介します。芸人さんも入って楽しい番組になるので、どうぞご覧下さい」とのことでした。

さて、石田さんの講座「皆さん、万葉集の花は奈良県のどこで見ることができるでしょう?特に万葉集にしか出てこない花も今日は紹介します」と始まりました。

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1. 万葉集の植物

「4516首の歌のうち、1700あまりの歌に植物が詠まれます。その種類は150〜160種。花の名・植物の名が特定できないものを加えると延べ2200首以上」だそうです。

万葉集の植物には、実生活に必要であった植物が多いようで、それらを紹介されました。また万葉集全体で植物を詠んだた歌数の多い歌人ベスト5として、@大伴家持220、A柿本人麻呂68、B大伴坂上郎女30、C大伴旅人26、D山部赤人25、を紹介されました。

歌数の多い花として、@萩142、A梅119、B橘69、C桜47、D尾花(ススキ)43、と紹介したあと、「今日は歌数にこだわらず、一つの花に一首ずつ歌を紹介します」と。

そして、花として観賞価値のある樹木や草50〜60種から、奈良県で見られる36種についてそのスポットと歌を紹介されました。

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2.四季の花と歌

(1)冬の花
梅:「まずは令和の梅から。梅は春を先取りする歌。山の斜面にフワーッとピンクや白に、香りもいいですよね。」と奈良県の三大梅林はもちろんのこと、奈良市内の片岡梅林もお薦めされていました。「円窓亭の近くに古い木が多く、とてもきれいです」と。

(2)春の花14種
桃:「桃が集まって咲いているのは石舞台!昔、遠足で行った時には何もない土手でした。これは観賞用に植えられました」と。「春の苑 紅にほふ桃の花 下照る道に 出で立つ少女(おとめ)」と大伴家持の歌を読まれ、この歌は「桃の花の下の道に、少女が現れたらいいなぁと空想で歌われたのでは?と言われています」と解説されました。

「ちょっと脱線しますが…有名な(うすいピンクの)又兵衛桜は、その後ろに濃いピンクの桃が咲いているから、その色がよく映えるんですよ」と。(なるほど!です)

椿:「椿と言えば、大和三名椿!しかしこの三つが同時に見られる所があるんですよ!」「当会ガイドグループの戸尾さんの『椿寿庵』(ちんじゅあん)が大和郡山市にあります。」とご紹介。

「戸尾さんはボランティアで、たくさんの椿300種をビニールハウス2棟で育てておられます」とおっしゃると、場内からは「へぇー、すごい!との声。(これは春には必見の場所ですね。戸尾さん、来年の春を楽しみにしています。)

また、桜井市玉列(たまつら)神社の椿祭りのお話もされ、やはり椿といえば万葉集「巨瀬山(こせやま)の つらつら椿 つらつらに 見つつ思(しの)はな巨瀬の春野を」を解説。この歌を詠った坂門人足(さかとのひとたり)はこの一首しか万葉集に載ってない人で、持統上皇の紀伊行幸の随行時に詠んだとのこと。

かたかご(カタクリ):「県内で見られる場所は少ないですが、葛城山に行って、歩いて登ると途中の湿地に群生しているのが見えます」と。そして万葉集には「物部(もののふ)の八十少女(やそをとめ)らが…」をご紹介。「乙女が出てきますが、これまた想像!」とのことでした。

さくら:当時の花見は梅でした。桜の花見が庶民に普及するのは、徳川吉宗の江戸時代からです。ソメイヨシノは新種で、クローン桜です」と。「万葉集の時代の桜はヤマザクラ。山を登っていく桜は他の所にはなかなかありません」と吉野山の桜をご紹介されて、山部赤人の「あしひきの山桜花…」を読まれました。

また「いつも悲しいのは、奈良のヤエザクラが注目されないこと。5月の連休頃に咲きますが、ソメイヨシノの桜前線は青森、北海道へ行ってしまって、その頃に奈良のヤエザクラが咲いてもあまり話題になりません。今度、「ゆうドキッ」で取り上げてくれるかなぁ(笑)」とおっしゃられました。

梨:石田さんが宇陀市の仏隆寺で写された美しい梨の花の写真とともにご紹介。「仏隆寺といえば千年桜が有名ですが、門前の崖に咲いているのを見て満足してしまい、お参りに行かない人がいる」と憂いておられました。「門を入ると、奥に咲いている梨のきれいな白い花をぜひ見に行って下さい」と。

ツツジ:ここでは、葛城山と御所市の船宿寺。「船宿寺は、すごいですよ!門に入ったらつつじで埋まっていますから」と。「船路集落のオオデマリに出迎えられ、船宿寺に入るとツツジ、奥にシャクナゲ。ぜひ一度お出かけ下さい」と。そして、「舎人(皇族に従う従者)が草壁皇子と生前に行ったことを思い出してうたった歌」を詠まれました。

藤:藤!といえば萬葉植物園。「ここは藤の園、200種2000本でほとんど藤棚になっていない。立ち木のまま育てている。昭和7年に開園された第1号で、萬葉植物の8割以上がある」そうです。石田さん、一番のお薦めは5月5日と11月3日の南都楽所(がくそ)の舞楽でそれぞれ子供と大人が行います。

他にも馬酔木(あしび、あせび)、やまぶき(般若寺)、つみ(山法師)、あやめぐさ(花しょうぶ、馬見丘陵公園)、うのはな(うつぎ、長谷寺、県立万葉文化館)、かきつばた(長岳寺、法華寺)、あざさ(三宅町)など万葉集の春の花を愛でる場所を教えて下さいました。

(3)夏の花7種
あじさい
有名なのは矢田寺ですが、空いていてお薦めは長岳弓寺です」と、橘諸兄のあじさいの歌を紹介されました。

他にもくれない(べにばな)、ねぶ(ねむ)、はねず(ざくろ)むらさき、ささゆりの花と歌をご紹介。

はちす(蓮):ハスは西大寺、喜光寺、唐招提寺、薬師寺のロータスロード4か所のことと、JR大和二見駅近くの生蓮寺(五條市)を紹介されました。

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(4)秋の花14首
秋の花、あさがお(「桔梗」のこと、円成寺・元興寺)や萬葉植物園の「くず」「なでしこ」や明日香村の「をみなえし」に因(ちな)んだ万葉集を読まれました。

藤袴(ふじばかま):曽爾村のふじばかまと山上憶良のこれぞ秋の七草!の万葉集「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花(おみなえし)また藤袴あさがほの花」を読まれ「春の七草は食用!秋の七草は観賞用!」と教えて下さいました。

いちし(ひがんばな):彼岸花は仏隆寺と葛城古道を推薦、「路の辺の 壱師(いちし)のはなの いちしろく 人皆しりぬ 我が恋妻を」(自分の奥さんがきれいだということを他の人に知られてしまったという意味)の歌を紹介。

はぎ:萩は元興寺、白毫寺(今年の秋の当会ガイドグループのコースです)

はねず(芙蓉):白い花がだんだんピンクになり、酔っぱらったようになるという「はねず」(酔芙蓉)の橘寺。

また、奈良市内でも見ることができる平城京跡のをばな(すすき)やつきひとのかつら(キンモクセイ)も紹介され、その万葉集も詠まれました。

ちち(乳、いちょう):そして秋が深まる11月に実をつけるちち(いちょう)は、戒長寺のお葉つきイチョウや音羽山観音寺を紹介し、大伴家持の「乳の実の父の命 (みこと) 柞 (ははそ) 葉の母の命…」の歌を解説されました。

もみぢ(もみじ)、さなかずら(さねかずら):もみじは正暦寺・談山神社の美しい紅葉を紹介され、橘奈良麻呂の邸宅で主人を讃えるように詠んだ万葉集「めづらしと わが思ふ君は〜」の歌を教えて下さいました。また、さなかずらは不退寺でした。

たちばな:最後に橘のお話。橘寺や興福寺南円堂をご紹介。「興福寺南円堂の橘は、なかなか花は見られないが、実は長持ちします。平安時代から左近の桜、右近の橘と言われてきましたが、南円堂では左近の藤となっています。」と。

そして、聖武天皇の「橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜降れど いや常葉の樹」を紹介されました。これは「葛城王(橘諸兄)が橘の姓を賜った時に歌われたもので、『橘』は文化勲章のマーク、これをかたどって作っている」そうです。

ちなみに「橘は香りがありますが、皮をむいても小さいものしか入っておらず、酸っぱい」そうで、「実は橘のエキスを使ったお菓子があるんですよ」と。橘寺で除夜の鐘をつくと地元の洋菓子屋さんがお供えしたパウンドケーキをいただけるそうです。石田さんが行かれた時10人〜15人しか集まっていなくて、108撞(つ)くのに(人が足りず)何度も撞くことができたとか。「ぜひ何回でも撞ける除夜の鐘に挑戦して下さい」とおっしゃっていました。


ということで、石田さんは「今年は万葉集の年!ぜひ万葉集の花を楽しんで、それをきっかけにして万葉集の世界に親しんでもらえたら。」と締めくくられました。

今回の万葉講座は、万葉集のことを少しでも知っているだけで、大和路の花を愛でるのが、倍!楽しくなる、すぐにでも出かけたくなる素敵な内容でした。

石田さん、美しい花や樹木と神社・仏閣の写真がいっぱいの万葉集の歌の解説をありがとうございました。万葉の人々の気持ちになって季節ごとの花を楽しもうと思われた方も多かったのでは。当会の令和に因(ちな)んだ万葉講座、まだまだ楽しみ方があるようで続きます。皆さんこの機会をお見逃しなく!


文:増田優子(広報G) 写真:鉄田専務理事
  

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2019年10月07日

女性グループ(ソムリエンヌ)大和三山PART1

― 天の香久山ミステリーツアーへ ようこそ!! ― 
                
9月28日(土)女性グループ10名で「香久山ミステリーウォーク」に出かけました。
香久山は大和三山の一つで、標高152メートルの山です。独立峰の畝傍山、耳成山に比べ、竜門山地にある多武峰から続く尾根の端に位置しているため、山というよりは小高い丘の印象があります。主に硬い斑レイ岩からなり、この山だけ火山性ではありません。
古代においては最も神聖視された山であり、万葉歌も多く残されています。しかし、その山麓には『古事記』にまつわる物語があったり、謎の巨石が点在したり、不思議な世界を感じさせてくれる山でもあります。
今回はそのミステリーを巡る約4.5キロのウォークでした。

コース
畝傍御陵前駅➡本薬師寺➡紀寺跡➡天岩戸神社➡国常立神社➡万葉の森(昼食)➡月の誕生石➡蛇つなぎ石➡天香山神社➡奈良文化財研究所藤原京跡資料室

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《畝傍山を背景に満開のホテイアオイ》

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《ミステリーツアーに参加したソムリエンヌメンバー》

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《本薬師寺の東塔の心礎》
現在の薬師寺の東塔には心礎の穴はなく、西塔にあります。本薬師寺とは反対です。
期待していた南門跡は完全に埋め戻され、表示板もなく、想像するしかありませんでした。

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《香久山》
山というより小高い丘の印象がある香久山も、紀寺跡から見ると、立派な山に見えます。

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《みるく工房「飛鳥」で、西井牧場さんの採れたてミルクを使ったソフトクリームに舌鼓》

次に向かったのが天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)です。

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《天岩戸神社》
香久山の南麓にある神社。御祭神は天照大神で、『記紀』の神話に登場する「天岩戸」だとされる巨岩が4個あります。そして、山の斜面に自生する真竹は古来「七本竹」といって、毎年7本枯れて、7本が新たに生えると言われています。(ミステリースポット@)

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いよいよ香久山山頂の国常立神社へ向かうはずでしたが、蜂の巣があるための規制線が張られ登ることが出来ませんでした。国常立神社が、ミステリースポットAの場所でした。

神話の中で一番初めに出現した国常立神を祀る国常立神社と、境内社に雨乞いの神である高龗神を祀ります。この神殿の前に壺が埋められていて、古来、干ばつの時この神に雨乞いをして壺の水をかえたそうです。今、お参りしても壺の存在は不明ですが、なんともミステリーなお話です。

頂上に登るのを断念し、万葉の森を散策。ここは四季折々の木々や草花が楽しめる場所で、万葉集に詠まれた万葉植物が73種あるそうです。また、万葉集に登場する著名人の歌碑を寺田さんに紹介してもらいながら昼食場所に向かいました。

昼食後のミステリーは、古池の北の道を通り、山道に入って行くルートでした。ひっつきむしのヌスビトハギとイノコズチが手強かったです。

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《香久山の北麓にある月の誕生石》

伝承によると、最初は人が抱えられるほどの丸い石だったが、どんどん大きくなり、やがてお月さまを産んだと言われる巨石になったのだとか。「月の誕生石」に残る白い斑点は、お月さまが生まれた時の足跡だそうです。古代より信仰の対象だったらしく、現在でも信仰されている方がいるらしく、しめ縄が廻らされていました。(ミステリースポットB)

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《月の誕生石の東側にある蛇つなぎ石》

この石を訪れる人があまりいないのか、草が茂り蜘蛛の巣が張る山道をドキドキしながら歩いて行くと、ドカンと巨石が一つありました。
岩肌に幾筋もの白い蛇のような細長い筋が入っていて、雨乞い信仰の対象である竜神(大蛇)をつなぎ置いたとも言われる伝承が残ります。
(ミステリースポットC)

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《山の北麓にある天香山神社》

櫛真智命神(くしまちのみことのかみ)を御祭神とします。この神様は知恵の神様だと言われていますが、占いの神様でもあると言われています。拝殿の奥に本殿があり、その奥には3つの巨石があります。(ミステリースポットD)

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《境内にある波波迦の木》

古事記によれば、この木の皮で香久山の雄鹿の骨を焼いて吉凶を占ったらしいです。

最後に奈良文化財研究所 藤原京跡資料室に立ち寄り、本日の行程は終了となりました。

今回、「大和三山PART1」で香久山を訪れましたが、山のあちらこちらに巨石があり驚きました。
古来より大和三山の中でも香久山にだけ「天」の字がつくのは、この山が天から降ってきたという伝承があるためだそうですが、巨石を見ると、天から降ってきたという伝説にピッタリの場所のような気持ちになりました。


文・写真 女性グループ(ソムリエンヌ)池田喜代


posted by 奈良まほろばソムリエ at 21:33| Comment(0) | 女性G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする