2016年07月09日

安産寺の子安地蔵菩薩を訪ねて

7月2日(土)9時40分集合で、三重県と奈良県の県境に近い三本松駅に降り立った。
山あいに佇む駅の前は宇陀川が流れ、宇陀の趣を醸し出している。梅雨というのに、まぶしいほどの太陽が参加者19名を迎えてくれた。

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(三本松駅)

三本松の地名は、鎌倉幕府第5代執権・北条時頼が行脚のおり、この地に植えたと伝わる大樹に因んでいる。

最初に、本日の目玉である安産寺へ向かう。
三本松駅から程なくして、安産寺に到着。子安地蔵菩薩とよばれる平安時代の一木造りの地蔵菩薩立像(国重文)が安置されていることで有名である。とはいえ、一人では、なかなかに訪ね難いところである。今日は、史跡等探訪サークル世話役のご尽力で、地元の安産寺保存会の人々に寺院を案内していただいた。

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(安産寺でのお話)

ここの子安地蔵菩薩は、その昔、豪雨で宇陀川が増水したとき、上流より流されてこの地に流れ着いたと伝わる。また、室生寺金堂の本尊・釈迦如来立像の様式と極めて似ている点や、金堂の地蔵菩薩像に不釣り合いの板光背が、ここの子安地蔵菩薩とぴったり一致すること等から、近世に室生寺金堂から移安されたとも伝わる。今日の最後は、室生寺で金堂の仏さま方にお目にかかることとなっており、その時に、地蔵菩薩像の光背をしっかりと拝見してみたい。

次に長命寺・琴引峠へ向かう。
ここも訪ねてみたかったところである。琴引峠の名は、源義経や北条時頼の伝承に由来する。この琴引峠は、伊賀から大和に入って越える最初の峠であり、本居宣長や松尾芭蕉もここを通ったことでも有名である。しかし、近鉄の線路を通すために峠が削られ、残念ではあるが、往時を偲ぶのはかなり困難な状況である。

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(長命寺)

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(琴引峠跡碑)

続いて海神社。ここに安産寺の子安地蔵菩薩が流れついたと伝わる。ご祭神は豊玉姫命。海のない奈良に海神社は四社あり、その中の一社である。本殿から正面の鳥居越しに宇陀川、伊勢街道、鎌倉山、それに安産寺も望める。

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(海神社)

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(海神社付近から鎌倉山)

海神社から滝谷花しょうぶ園の横を通り、さらに進むと「大師の道」に突き当たる。「大師の道」は、三本松から山越えで室生寺へ向かう古道で、なかなかに趣のある名前である。ちょっと楽しみ。

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(花しょうぶ園への道のアジサイ)

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(大師の道の入口)

しかし、甘かった。(笑)この暑さ。室生寺に着く頃には、少々、疲れた。
道中、なかなかの見所もあり、時候の良い頃にもう一度歩いてみたいコースである。

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(大師の道)

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(峠の茶屋跡)

最後は、室生寺。
なにはともあれ、金堂の仏さま方を、拝観。確かに、お地蔵さんの光背は、不釣り合いに大きい。安産寺の子安地蔵様がぴったり。安産寺で見せてもらった合成写真に納得である。

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(室生寺金堂)

帰りは、室生寺から室生口大野駅までバス。

暑かったけど、普段、訪ね難いコースで大変有意義な例会でした。世話役の皆さん、ありがとうございました。

写真 小林誠一  文 秋山博隆
posted by 奈良まほろばソムリエ at 20:52| Comment(0) | 探訪G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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