2019年11月08日

奈良の歩き方講座 万葉歌人の人間関係と歴史的事件

米谷潔さん

10月20日(日)ナラニクルで、「〜万葉集とその時代〜」シリーズ6回が始まりました。今回は第1回、当会「奈良まほろばかるた」の制作提案・読み札解説文の原案作成者の米谷さん、今回もまたまた興味深い内容でスタートを切って下さいました。

まずは「万葉集は文学と歴史学との接点。いろいろな説のある歌集で、逆にそれが素人でも面白く読める歌集です」とその解釈の楽しさを教えて下さり、「今は歌碑も多く立ち、その風土を見て回ることができるので、その場で万葉集を歌えばなお楽し!」と。そして、「人の心は1200年、1300年経っても変わっていないので、そういうところをみてもらえたらなぁ」とおっしゃっていました。

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<三角関係>
「大きな政治事件の根底には男女の三角関係あり」だそうで、まずは壬申の乱の中大兄皇子(天智天皇)・大海人皇子(天武天皇)・額田王から。『香具山は 畝火ををしと 耳梨と 相あらそひき 神代より〜』の歌の大和三山はどれが男山?女山?という問題で解釈が変わってくるとか…。そして米谷さんは、香具山を男山と考え、その根拠を5つもご解説。(なるほど〜‼)と。また額田王の『あかねさす 紫野行き 標野行き〜』と大海人皇子『紫草のにほへる妹を憎くあらば〜』の応酬歌も。「壬申の乱というのは、その根底に額田王をめぐる愛のもつれがあったとさえ言われています」と、歴史と万葉集のつながりをお話されました。

また「大津皇子事件には、草壁皇子と大津皇子の石川郎女をめぐる争いも一因と考えられる」という深〜く掘り下げた解説もありました。

<姉弟愛>
万葉集で姉弟愛といえば、大津皇子と大伯皇女。『わが背子を大和へ遣るとさ夜深けて〜』『二人行けど行き過ぎ難き秋山を〜』の二首をご紹介。この題詞には大津皇子が「ひそかに伊勢の神宮(かむみや)に下りて」とありますが、なぜ「ひそかに」という語がつかわれたかを読み解かれます。また、『うつそみの 人にあるわれや 明日よりは 二上山を 弟世(いろせ)とわが見む』の歌の苦しく悲し大来皇女の胸の内を語られました。

<親愛関係>
1. 系図を使って、高市皇子と十市皇女の歴史的背景も交えてのお話。
『山振(やまぶき)の立ち儀(よそ)ひたる山清水〜』の歌を黄泉の国が関係している等深い読み取りも教えて下さいました。

2. 穂積皇子と但馬皇女
こちらも系図を使って「二人が密かに通じていたことが人々に知られてしまった時に作った歌」→『人言を繁み言痛み 己が世に 〜』を読まれます。そして穂積皇子の正妻であった大伴坂上郎女の娘の大伴坂上大嬢(おおいらつめ)は家持の従妹ですが、のちに家持の正妻(つまりいとこ同士の結婚)となり、なんとも複雑な当時の人間関係を説明されました。

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<ライバル関係>
有間皇子と中大兄皇子
まずはこちらも系図と歴史的背景のお話から。「『磐代の浜松が枝を引き結び〜』と『家にあれば笥に盛る飯を〜』の二首は今までと違ってきています。これらはあくまでも祈りの二首の歌で神に頼るしかない、と犬養先生もこの説を取られています」とご解説。「事件から数十年を経ているのに忘れがたい出来事を歌っているところに、大伴家持が有間皇子に同情していたのでは…。」と米谷さん。そして草壁皇子と大津皇子についても話されました。

<片思い関係>
大伴家持と笠女郎
大伴家持は「歌を交わした女性は、女王一人、女郎七人、娘子(おとめ)七人。その中で熱烈に恋をしたのは笠女郎!」だったとか。『君に恋ひ 甚(いた)も術(すべ)なみ 平山(ならやま)の 小松が下に 立ち嘆くかも』など、天平5年から家持への恋の歌を贈り続け、計29首だそうです。米谷さんは笠女郎のことを「ここまで一途に家持を想っている人がいじらしくなってしまう。」と言われ、その中で時を知らせるものとして、鐘と鼓がある等のお話がありました。

<上下関係>
大伴旅人と山上憶良
大宰府に赴任していた旅人は、約3年間憶良の上司だったそうで、憶良は旅人が昇進して奈良へ帰るときに送別の歌を詠んで自分の任期後の身の振り方を頼んでいる歌『吾が主の御霊〜』を紹介されました。米谷さんは「階級制度が整った令の官僚組織の中では、官人にとってその昇進だけが生活を良くしたと考えられます。」とおっしゃられていました。
そして、「万葉の時代も現代も変わらない人間関係の思いと行動があることがわかります」と締め括られました。

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奈良の人達にもっと奈良の良さを知ってほしいと米谷さん。今日もわかりやすく、また趣向を変えてお話いただきありがとうございました。出席者の皆さんは一生懸命耳を澄ませて聞き入っておられました。万葉集ブームのお陰で、古代への興味はますます湧いてきます。まだまだ続く当会の万葉講座、あちらこちらでいろいろな形で開催されます。もちろん初心者も大歓迎!皆様ご家族お友達お誘いあわせの上、お一人様でもどうぞお気楽にご参加下さいませ。

写真、文:広報部 増田優子




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2019年10月27日

保山耕一さん 第4回「時の雫」上映会

保山さん月一(つきいち)上映会が10月5日(土)奈良公園バスターミナルでありました。今回のテーマは「奈良公園」。ならどっとFM「岡本彰夫の奈良、奥の奥」公開ラジオ収録!に、奈良公園から衛星回線を繋いでの中継!保山さん、毎回毎回趣向を凝らしてパワーアップ。お客様は今回もまた保山さんの映像、トークと企画に魅せられていました。

まずは「今日も夢みたいです。皆さんにお会いできるのをすごく楽しみにしていました。皆さんのお顔が見られて心から嬉しいです」と。そして、「30年以上前からテレビ番組をやっていました。『○○○ぷいぷい』は立ち上げからやっていて、昔は2〜3か月に一回特番というのがあって、今日はそんな風に「特番!」みたいにスピード感持ってパッパッパッとやりたいです(笑)今日も皆さんのお陰で、皆さんのお気持ちをいただいて、奈良の魅力を発信していきます」と始まりました。

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オープニングは、すみかおりさんオリジナル曲の生演奏『時を超え』にのせて
―  真っ赤に咲き誇る彼岸花の映像  ―


そして、次にご紹介された話は・・・
「以前、国際がんセンターでがん患者の方々の前で、グランドピアノの生演奏で上映したものです。東京の日本一大きなガンセンターで月一回のロビーコンサート。ロビーにベッド20台ほど運んできて、点滴治療してはって、末期患者の方もいらして・・・みんなで集まって生のグランドピアノの音で・・・もう涙止まらなくなりました」
「録音した音楽もいいんですけど、心の奥にまで届くのが生の魅力なんです。ものすごく影響があります。そして、泣いた後にまた前を向く。希望に満ちた曲でお届けします」

―映像『希望の夜明け』―

(野上朝生さんオリジナル曲のキーボード生演奏と木塲孝志さんの二胡の音色。お客様は保山さんの映像とのコラボに魅了されてうっとり!)


そして、保山さんより今回配布のちらしをご紹介。ここではいつも耳寄りな情報があります。12月7日の上映会は、保山さんいわく「ありったけの予算をすべて投入し、吉野山桜まつりをやります。僕の夢はここを桜吹雪でいっぱいにする!そのためにダイソンのコードレス掃除機、買おうかなぁって思てます(笑)」「金峯山寺、全面協力で岡本彰夫先生と五條良知管長の特別対談。映像を使って、疑似『護摩焚き』も。お楽しみに!!」
また来月の11月2日上映会は「大和の月」(サプライズでスペシャルゲストもいらっしゃるようですよ〜!)

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さぁ、そして、ならどっとFM『岡本彰夫の奈良、奥の奥』。始まりは、講談師四代目玉田玉秀斎(たまだぎょくしゅうさい)さんのタイトルコールでムードは一気に高まり、ラジオの世界に誘われます。

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と、ここで、手向山八幡宮からの中継、シンガーソングライターの大垣知哉さん。今回は玉田玉秀斎さんのお弟子玉山(ぎょくざん)さんが奈良公園から鹿せんべいの正しい与え方を衛星中継!保山さんいわく「こんな近くで生中継、『○○○ぷいぷい』ではできないでしょ」と(笑)
そして、岡本先生「外国人が鹿を抱えようとすると事故をする。鹿を人間の世界に引きづり入れたらあきません。これが難儀なことですわ」と。

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そして岡本先生は南都八景を一つずつご解説下さり、興福寺三宝や木魅塚(きみづか)など、あまり知られていない深〜いお話もして下さいました。また、春日大社一之鳥居の榊が左側にだけあるのはなぜか?というお話などがありました。

少しご紹介しますと…『大和名所図会』(=江戸時代の奈良の風景がこれでよくわかるとのこと)に書かれている春日大社一之鳥居のこと。

「春日大社一之鳥居には左側にしか榊が立てられていない。これは江戸時代の節用集(せつようしゅう、=百科事典みたいなもの)を見ても必ず左側だけです。(祭りの時だけは両方に立ててある) これはなぜかを随分、理由を探したんですが出てこない。」
「『時廉(トキカズ)卿記』という春日大社神主さんの大中巨時廉という人の書いた懐中本に唯一理由が書いてありました」(何々…??と会場はシーンと静まり返っています)

「それは興福寺には興福寺の三種の神器みたいな『興福寺三宝』というのがあります。その一つが『面向不背の玉』といいまして、これだけが早くになくなった。これは、水晶の玉の中に釈迦三尊像が入っていまして、どこから見ても正面に見える。

ところが、これが春日さんの一之御殿の下にそれが入っとると言うんですな。そこで善女(ぜんにょ)龍王様がその玉を欲しいと毎日猿沢池からお出になって、一之鳥居に横たわりはるというんです。蛇体を鳥居の一番上の笠木(かさぎ)に横たわらせはるんです。そうすると蛇体の頭が北に向くから御身が南に向くんですわ。そうすると南に榊を立てたら腹をつくさかいに申し訳ないから榊をはずしたっていう伝承がございまして」(会場内は、へぇ〜!と感心と驚きの声) 「それで、私が辞めます前に、今の花山院宮司と相談しまして、このしきたりを残しましょうということになりました。」

保山さんは感心しながら「これ、岡本先生が昔の本を読んで起こされた話なんですか?」と質問されると「そら何年かかったかわからしません。こんなん見たら誰でも妙やなと思わないかんけど、だ〜れも質問しはらへん(笑)」保山さん「片っ端から資料を読んだってことでしょ?」「どこにあるかわからしませんから、膨大な資料を調べてみたら、たまたま出てきたけど3〜4年かかりましたわ」(と、なんともすごい話‼)
「どこかで言うとかんとね。」と岡本先生のとっても貴重なお話を生で聞かせていただきました。司会者の中川直子さんも「これは皆さん、ぜひ広めて下さい」とおっしゃっていました。

(詳しくは同番組、11月4日(月)15時〜16時、再放送11月8日(金)20時〜21時をお聴き下さい)

そして、玉田玉秀斎さんの今回、初公開の講談は『奈良の鹿物語』。兄弟鹿、シン兄ちゃんこと「シン」とチビロクこと「ロク」の成長物語in奈良。

岡本先生は「現代は神仏を畏れないようになってきている。かろうじで奈良はまだ残っているから大切に!」と言われて、以前、テレビ『素晴らしい宇宙船、地球号』で奈良公園のフンコロガシを取材に来たテレビ局の人の話をされました。「高畑でランドセルの小学生と向こうから来る巨大な野生の鹿。どちらも振り返らずにすれ違うところがすごい‼」と奈良を絶賛されたそうです。「世界に誇れる奈良」と岡本先生はおっしゃっていました。

そして、保山さんは次回・秋の公開録画は11月23日(土・祝)国営飛鳥歴史公園・四神の館とご紹介されました。国営飛鳥歴史公園HPよりお申込みいただいた何人かには保山さん撮影の飛鳥のDVDを無料でプレゼントして下さるとか・・(詳しくはHPをご覧ください)

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その後、奈良公園バスターミナル竹田室長のまほろばワンポイント講座は「奈良公園と春日山原始林」でした。神秘の森の原始的な生き物との共生、ナギ・ナンキンハゼのナラ枯れの被害、行政・地域・NPOでの植生の保護策など、100年・200年・1000年と続いてほしいとのお話がありました。

岡本先生からは「今、ボコボコにやられてますやん。改善を(笑)」と言われ、「まぁ気をつけや。バスもよろしくな!(笑)」と励まされていました。

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と、ここで当会鉄田専務理事のご出演!岡本先生とは10何年前から親しくされていて、当会第2回総会でご講演をしていただいたとか。春日山で首つりがあったら神様が嫌いはるという『春日山の天狗風』のお話や春日山の木々が一気に大量に枯れ始める現象(日本に悪いことがあると必ずこれが起こると言われ、たいへん畏れられた)が起こった時、神事を行うと必ず木が元に戻るという『山木枯稿(さんぼくここう)』のお話がありました。(会場のお客様は、へぇ〜!ほぉ〜!と驚かれていました)

すると今度は会場が一気に薄暗くなり、ならどっとFMの中川直子局長の絵本朗読。実は中川局長、35年も前から体のご不自由な方の朗読の指導をされているそうで『しろちゃん』は30年も前の悲しい実話です。保山さんは「よくニュースでレジ袋を食べて鹿が死んだことをインバウンドの外国人の観光客が増えたせいにしていますが、実は30年以上も前から、こういうことはあったんだということを語り継ぐためにもこの本を選びました」と。(そして木塲さんの二胡演奏が流れる中、会場内は『しろちゃん』の世界にグングン引き込まれていきました。)

さあ、そして岡本先生より今月のまとめのお言葉は・・・「『灯台もと暗し』ですな。奈良公園ってこんなに奈良時代からの縮図がある‼ ところが案外振り返る機会がない。奈良公園は春日山から春日野、奈良の町に至るまでの広大で1200年の歴史が凝縮した場所。もう一度1200年の歴史ある奈良公園、足元を振り返ってみなあきまへんな」と。

ラジオ収録後はお神輿担ぎから戻って来られた大垣知哉さん、奈良公園から玉山さんも帰ってきて、出演者全員で保山さんの映像を見ながら、会場の皆さんも一緒に「ふるさと」を大合唱!!!

―   休憩タイム  ―

(会場の外では、現在ベストセラーになっている『奈良百寺巡礼』(今回は鉄田さんの落款とサインが超レア物)、鹿の絵本『しろちゃん』、次回上映会のチケット、カンパの保山さん映像DVD、木塲さんのCD等が販売され、どこも大賑わい!)

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さぁ!後半は当会・豊田敏雄理事長のご登壇から始まります。
「奈良まほろばソムリエの会とはどんな会ですか?」と司会者に聞かれた豊田理事長。当会のここまでの歩みと「毎年だいたい40人ずつ増えて、現在420人弱くらいで、奈良をよく知っていただき、歴史に親しんでいただこうという活動をしています。」とご説明。また「この上映会が、保山さんファンとソムリエの会のファンでいっぱいになりますように」とおっしゃっていました。

―  奈良百寺巡礼  <正暦寺 > 映像  ―

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そして、正暦寺・大原弘信ご住職と鉄田憲男専務理事のご登壇。
大原ご住職は、孔雀明王のお話をされ「いい仏像は大小関わらず、近づくといいものがありますね〜」と。「山にいると自然の摂理を教えてもらいます。難しいお経よりも山に教えてもらう、自然が教えてくれるということもあります。花も人間も弱っていくということは、終わっていくということ。そして、それは次のことが始まるということ」と…。「枯れた花にも美がある」山にいると自然の摂理を教えてもらうとご住職。植物のお手入れ、木の剪定をご自分でされる大原ご住職のことを素晴らしいと尊敬されていた保山さんの言葉が浮かびます。


そして、司会の中川さんから「正暦寺と言えば、お酒!」とお酒の話が出ると、すかさず鉄田さんが「正暦寺といえば、ポイントは二つ‼、『錦の里』と『清酒発祥の地』です」と。

「正暦寺独自で作るお酒の母と書いて酒母(しゅぼ←これはお酒を造るアルコール発酵の元)というものがあり、こちらで造るのは『菩提元』(ぼだいもと)。これは、室町時代にここで初めて造られたと文献に出てくる独特なもの。」だそうです。「毎月1月上旬に酒母の仕込みが行われます」ということで、「来年は1月11日(土)。12日の奈良検定の前の日です。(笑)」と。

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そして、鉄田さんが大原ご住職とお話をされる中で、すごく興味を持たれたというのが「正暦寺は、流れる川あるいは湧き水に特長があるんです。匂いはカルピスみたい」と。
「自然の乳酸菌がそこにあるんです。酒造りで大事なのが、麹菌、酵母菌、乳酸菌と言われます。あとは皆さんの努力です。」と教えて下さいました。

正暦寺は、11月3日〜12月1日に白鳳仏の秘仏公開があり、本堂を開けて拝観できます。紅葉の景色が美しい時ほどお寺のお忘れ物が多いようで、「忘れ物の多さでその年の紅葉の美しさがわかるんですよ」とご住職。「11月20日から月末がきれいです」とのことで、正暦寺のお酒も販売されます。鉄田さんは全種類飲まれたことがあるとか(さすが‼)

ということで、今回の様子は、ならドットFM『岡本彰夫の奈良、奥の奥』11月4日(第1月曜日)3時〜4時、再放送は11月8日(金)20時〜21時に放送されます。ぜひお聴き逃しなく!です。

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次回11月2日(土)は「大和の月」。奈良百時巡礼は般若寺で、当会理事の石田一雄さんのご登壇です。次々に奈良の魅力を発信される保山さんの月イチ上映会!皆様お誘い合わせの上お越しいただき、どうぞお楽しみ下さい。

写真:松森重博理事、鉄田専務理事   文:広報部 増田優子

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2019年10月12日

第2回サクサクわかる万葉講座 「万葉集の花」

講師 石田一雄さん

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令和元年9月28日(土)南都銀行大宮支店ビルの4階において、「第2回サクサクわかる万葉講座」が25名の参加で行われました。今回の講師は当会理事の石田一雄さん。石田さんといえば、昨年、鑑真和上のふるさと揚州大明寺を訪ね、講演されたという探求心旺盛なお方!今回は、万葉集の花を四季折々愛でる楽しさをお話して下さいました。

まずは、鉄田専務理事より、令和・万葉集のブームに乗って、次々開催される当会のイベントを紹介されました。(詳しくは当会のホームページをご覧下さい)

その中でも、12月7日(土)はJR西日本とコラボしたウォーキングが開催されます。「JR奈良駅から巻向駅まで、4両編成・貸切の新型車両に乗ります。当会万葉集の講師・米谷潔さんが車内放送でミニ講話をしてくれます。約30分、耳を傾けながら、柿の葉ずしのお弁当をいただきがら、巻向駅に向かいます。駅からは当会ガイドグループが万葉歌碑を巡りながらご案内。我々だけの臨時列車で、他にはない当会ならではの楽しいツアーです。ご家族、ご友人お誘いあわせの上、たくさんの方のご参加をお待ちしています」。

そして、「この秋からリニューアルの奈良テレビ『ゆうドキッ!』に当会会員がレギュラー生出演します。毎週月・木曜日です。奈良の行事イベントやグルメ(狭いエリア限定のあまり知られていないお店)を紹介します。芸人さんも入って楽しい番組になるので、どうぞご覧下さい」とのことでした。

さて、石田さんの講座「皆さん、万葉集の花は奈良県のどこで見ることができるでしょう?特に万葉集にしか出てこない花も今日は紹介します」と始まりました。

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1. 万葉集の植物

「4516首の歌のうち、1700あまりの歌に植物が詠まれます。その種類は150〜160種。花の名・植物の名が特定できないものを加えると延べ2200首以上」だそうです。

万葉集の植物には、実生活に必要であった植物が多いようで、それらを紹介されました。また万葉集全体で植物を詠んだた歌数の多い歌人ベスト5として、@大伴家持220、A柿本人麻呂68、B大伴坂上郎女30、C大伴旅人26、D山部赤人25、を紹介されました。

歌数の多い花として、@萩142、A梅119、B橘69、C桜47、D尾花(ススキ)43、と紹介したあと、「今日は歌数にこだわらず、一つの花に一首ずつ歌を紹介します」と。

そして、花として観賞価値のある樹木や草50〜60種から、奈良県で見られる36種についてそのスポットと歌を紹介されました。

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2.四季の花と歌

(1)冬の花
梅:「まずは令和の梅から。梅は春を先取りする歌。山の斜面にフワーッとピンクや白に、香りもいいですよね。」と奈良県の三大梅林はもちろんのこと、奈良市内の片岡梅林もお薦めされていました。「円窓亭の近くに古い木が多く、とてもきれいです」と。

(2)春の花14種
桃:「桃が集まって咲いているのは石舞台!昔、遠足で行った時には何もない土手でした。これは観賞用に植えられました」と。「春の苑 紅にほふ桃の花 下照る道に 出で立つ少女(おとめ)」と大伴家持の歌を読まれ、この歌は「桃の花の下の道に、少女が現れたらいいなぁと空想で歌われたのでは?と言われています」と解説されました。

「ちょっと脱線しますが…有名な(うすいピンクの)又兵衛桜は、その後ろに濃いピンクの桃が咲いているから、その色がよく映えるんですよ」と。(なるほど!です)

椿:「椿と言えば、大和三名椿!しかしこの三つが同時に見られる所があるんですよ!」「当会ガイドグループの戸尾さんの『椿寿庵』(ちんじゅあん)が大和郡山市にあります。」とご紹介。

「戸尾さんはボランティアで、たくさんの椿300種をビニールハウス2棟で育てておられます」とおっしゃると、場内からは「へぇー、すごい!との声。(これは春には必見の場所ですね。戸尾さん、来年の春を楽しみにしています。)

また、桜井市玉列(たまつら)神社の椿祭りのお話もされ、やはり椿といえば万葉集「巨瀬山(こせやま)の つらつら椿 つらつらに 見つつ思(しの)はな巨瀬の春野を」を解説。この歌を詠った坂門人足(さかとのひとたり)はこの一首しか万葉集に載ってない人で、持統上皇の紀伊行幸の随行時に詠んだとのこと。

かたかご(カタクリ):「県内で見られる場所は少ないですが、葛城山に行って、歩いて登ると途中の湿地に群生しているのが見えます」と。そして万葉集には「物部(もののふ)の八十少女(やそをとめ)らが…」をご紹介。「乙女が出てきますが、これまた想像!」とのことでした。

さくら:当時の花見は梅でした。桜の花見が庶民に普及するのは、徳川吉宗の江戸時代からです。ソメイヨシノは新種で、クローン桜です」と。「万葉集の時代の桜はヤマザクラ。山を登っていく桜は他の所にはなかなかありません」と吉野山の桜をご紹介されて、山部赤人の「あしひきの山桜花…」を読まれました。

また「いつも悲しいのは、奈良のヤエザクラが注目されないこと。5月の連休頃に咲きますが、ソメイヨシノの桜前線は青森、北海道へ行ってしまって、その頃に奈良のヤエザクラが咲いてもあまり話題になりません。今度、「ゆうドキッ」で取り上げてくれるかなぁ(笑)」とおっしゃられました。

梨:石田さんが宇陀市の仏隆寺で写された美しい梨の花の写真とともにご紹介。「仏隆寺といえば千年桜が有名ですが、門前の崖に咲いているのを見て満足してしまい、お参りに行かない人がいる」と憂いておられました。「門を入ると、奥に咲いている梨のきれいな白い花をぜひ見に行って下さい」と。

ツツジ:ここでは、葛城山と御所市の船宿寺。「船宿寺は、すごいですよ!門に入ったらつつじで埋まっていますから」と。「船路集落のオオデマリに出迎えられ、船宿寺に入るとツツジ、奥にシャクナゲ。ぜひ一度お出かけ下さい」と。そして、「舎人(皇族に従う従者)が草壁皇子と生前に行ったことを思い出してうたった歌」を詠まれました。

藤:藤!といえば萬葉植物園。「ここは藤の園、200種2000本でほとんど藤棚になっていない。立ち木のまま育てている。昭和7年に開園された第1号で、萬葉植物の8割以上がある」そうです。石田さん、一番のお薦めは5月5日と11月3日の南都楽所(がくそ)の舞楽でそれぞれ子供と大人が行います。

他にも馬酔木(あしび、あせび)、やまぶき(般若寺)、つみ(山法師)、あやめぐさ(花しょうぶ、馬見丘陵公園)、うのはな(うつぎ、長谷寺、県立万葉文化館)、かきつばた(長岳寺、法華寺)、あざさ(三宅町)など万葉集の春の花を愛でる場所を教えて下さいました。

(3)夏の花7種
あじさい
有名なのは矢田寺ですが、空いていてお薦めは長岳弓寺です」と、橘諸兄のあじさいの歌を紹介されました。

他にもくれない(べにばな)、ねぶ(ねむ)、はねず(ざくろ)むらさき、ささゆりの花と歌をご紹介。

はちす(蓮):ハスは西大寺、喜光寺、唐招提寺、薬師寺のロータスロード4か所のことと、JR大和二見駅近くの生蓮寺(五條市)を紹介されました。

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(4)秋の花14首
秋の花、あさがお(「桔梗」のこと、円成寺・元興寺)や萬葉植物園の「くず」「なでしこ」や明日香村の「をみなえし」に因(ちな)んだ万葉集を読まれました。

藤袴(ふじばかま):曽爾村のふじばかまと山上憶良のこれぞ秋の七草!の万葉集「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花(おみなえし)また藤袴あさがほの花」を読まれ「春の七草は食用!秋の七草は観賞用!」と教えて下さいました。

いちし(ひがんばな):彼岸花は仏隆寺と葛城古道を推薦、「路の辺の 壱師(いちし)のはなの いちしろく 人皆しりぬ 我が恋妻を」(自分の奥さんがきれいだということを他の人に知られてしまったという意味)の歌を紹介。

はぎ:萩は元興寺、白毫寺(今年の秋の当会ガイドグループのコースです)

はねず(芙蓉):白い花がだんだんピンクになり、酔っぱらったようになるという「はねず」(酔芙蓉)の橘寺。

また、奈良市内でも見ることができる平城京跡のをばな(すすき)やつきひとのかつら(キンモクセイ)も紹介され、その万葉集も詠まれました。

ちち(乳、いちょう):そして秋が深まる11月に実をつけるちち(いちょう)は、戒長寺のお葉つきイチョウや音羽山観音寺を紹介し、大伴家持の「乳の実の父の命 (みこと) 柞 (ははそ) 葉の母の命…」の歌を解説されました。

もみぢ(もみじ)、さなかずら(さねかずら):もみじは正暦寺・談山神社の美しい紅葉を紹介され、橘奈良麻呂の邸宅で主人を讃えるように詠んだ万葉集「めづらしと わが思ふ君は〜」の歌を教えて下さいました。また、さなかずらは不退寺でした。

たちばな:最後に橘のお話。橘寺や興福寺南円堂をご紹介。「興福寺南円堂の橘は、なかなか花は見られないが、実は長持ちします。平安時代から左近の桜、右近の橘と言われてきましたが、南円堂では左近の藤となっています。」と。

そして、聖武天皇の「橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜降れど いや常葉の樹」を紹介されました。これは「葛城王(橘諸兄)が橘の姓を賜った時に歌われたもので、『橘』は文化勲章のマーク、これをかたどって作っている」そうです。

ちなみに「橘は香りがありますが、皮をむいても小さいものしか入っておらず、酸っぱい」そうで、「実は橘のエキスを使ったお菓子があるんですよ」と。橘寺で除夜の鐘をつくと地元の洋菓子屋さんがお供えしたパウンドケーキをいただけるそうです。石田さんが行かれた時10人〜15人しか集まっていなくて、108撞(つ)くのに(人が足りず)何度も撞くことができたとか。「ぜひ何回でも撞ける除夜の鐘に挑戦して下さい」とおっしゃっていました。


ということで、石田さんは「今年は万葉集の年!ぜひ万葉集の花を楽しんで、それをきっかけにして万葉集の世界に親しんでもらえたら。」と締めくくられました。

今回の万葉講座は、万葉集のことを少しでも知っているだけで、大和路の花を愛でるのが、倍!楽しくなる、すぐにでも出かけたくなる素敵な内容でした。

石田さん、美しい花や樹木と神社・仏閣の写真がいっぱいの万葉集の歌の解説をありがとうございました。万葉の人々の気持ちになって季節ごとの花を楽しもうと思われた方も多かったのでは。当会の令和に因(ちな)んだ万葉講座、まだまだ楽しみ方があるようで続きます。皆さんこの機会をお見逃しなく!


文:増田優子(広報G) 写真:鉄田専務理事
  

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2019年09月21日

「奈良、時の雫」第3回−かすがの煌めき−保山耕一さん上映会

令和元年9月7日(土)保山耕一さん作品上映会「奈良、時の雫−かすがの煌めき−」が奈良公園バスターミナルで開かれました。保山さんからまず初めに出た言葉は「もう、この時点で嬉しいです!泣きそうです!…なぜかは想像して下さい。」と。(会場からは、「え〜⁉」とざわめきが…)

開演前の反省会
「では、今日も反省から」と始まりました。「なんの反省かというと、費用が50万円以上かかっているので赤字‼」だとか。「でも、今回からいただくチケット代1000円は大赤字だからいただくのではなく、もちろん運営資金もあるのですが、聖林寺修復の寄進のためです。『奈良の文化財保存のために何ができるか』それを考えてのチケット代です。どうぞご理解下さい。」とおっしゃられていました。

そして、今回、最初にご紹介されたのは、直前(数日前)に届いたメールの話。「その人は『行く予定でしたが、行けなくなりました。本当に行きたかったけど、行けなくて』と…。実はガンが肝臓に転移して病院に行かなければいけない。『治療費が要るんです。だから土曜日も仕事をして働かなければいけないから上映会に行けなくなりました』といわはるんです。」

「僕は頭をガーンとなぐられました。」「僕は病気で仕事を失って嘆いていたのに、その人は仕事をしないと治療できないって。」「僕はどれだけ幸せなことかと感じました。そして、その人は今日も生きるために働いているんだと思うと、頑張らなあかんと思ったんです。そうやって僕はいろんな人とつながっています」と。

「僕は目が覚めました」「僕にはやることがある!最後の最後まで全うしないと。必要とされてるんや。」と。そして、「最初から深刻でダメですね。まぁそういうことを感じていました」と言われ「あっ!今日の反省会は5分でやめておけ!って言われているんでした」(笑)と…。

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平城宮跡歴史公園からのお知らせ
国営いざない館、保山さんは「いい展示していますよ〜。そしてスタッフ、売店の人、警備員さん、皆いい人なんですよ」とご紹介。そしてここでは『奈良、時の雫〜平城京跡〜』が常時上映されています(もちろん無料で)しかもアンケートでは満足度95%だそうです!

竹田室長のワンポイントまほろば講座
今回は「猿沢池」がテーマでした。猿沢池のウリは3つで、奈良燈花会・ならまち遊歩・采女祭だそうです。「保山さんの愛情いっぱいの映像を楽しんで下さい」と紹介されました。

上映作品解説「映像詩、かすがの煌めき」
今回は2016年に、春日大社に奉納された作品です。それを春日大社さんに無理を言って、もう一度上映していただけるという、まさにこの瞬間だけ観ることができる贅沢なひとときでした。ディレクターズカットで68分の上映解説は、2015年にさかのぼってのお話からでした。

「その時は病気に仕事を奪われフリーランス、誰ともつながっていなくて・・・」と。
「カメラのキタムラで中古で買ったイオスキス。これで動画が撮れるんやなぁ・・・」
「僕はテレビカメラマンやったけど、やっぱり自分にできることは撮影しかない」と。「好きなものを撮るしかない」と思われたそうです。

保山さんは世界各国の絶景を撮る仕事をした時、病の後遺症でつらいつらい思いをされたそうです。「そんな時に撮りに行ったのが飛火野。(当時)友達は一人もいなかった」そうです。

そして飛火野を愛する書家・桃蹊(とうけい)さんと出会います。「飛火野が僕らを結び付け、縁をつないだのです。気が付いたら3万円のカメラを桃蹊さんに向けていて、僕はテレビ番組風にテレビチックに編集したんです」そして春日大社にご縁のある保山さんは、桃蹊さんに純粋な気持ちで林檎の庭で奉納してはどうかと話を持ち掛けます。

保山さんは、神様と二人っきりになって、神様だけを向いて奉納するのが正しい奉納ではないかとおっしゃっていました。それがさだまさしさんとの出会いでのことだそうです。(「20年前はヨーヨー・マさん、最近はさだまさしさんにつながっています」と言われ、この話はまた後で出てきます)
「春日大社さんにはすべてわかっていただいて、『やりましょう!』と夜中3時に神職さんがたくさん出てきてくれはりました」と。そして「墨の匂い、墨をする音を思い出しながら見て下さい」と。

実は桃蹊さんのご主人は、保山さんと同じ病で他界されて(保山さんはお会いされたことはないそうですが)同じ病だったのが知り合った理由かなと思いました」と。そして、映像の中に「写真の中に男前のご主人がいらっしゃる。いつも横にご主人がいらっしゃるんです。常にどの場所にもいらして見守って下さっている。それでこの作品が作れたのかなと確信しています」と。保山さんは「この映像で気持ち良くなって
いただくのが願いです」とおっしゃって始まりました。

―「映像詩、かすがの煌めき」上映―
春日大社へ、御蓋山へ向かって、二拝二拍手一拝して、無心になって書き続ける桃蹊さん。フランス語の歌詞・メロディと鳥のさえずり、そして飛火野の美しい景色、これがなんとも絶妙なバランスで、会場内は一気に澄んだ空気に包まれます。

そして「春日山にふりそそぐ慈雨。神が与えた命の雫。この雫のおかげで私たちは天と地の間で命をつないできた。雫は流れとなり 春日の地へ」と保山さんの言葉が流れます。

「水はとどめることを知らず、生から死へとすべての命を運んでゆく」
「落ち葉は流れ 流れゆく先は みな同じ場所」

その言葉が美しい春日の映像に溶け込んで一体となっていきます。保山さんの映像・言葉は、まるで神様と私たちをつないで下さっているようでした。

桃蹊さんは、「飛火野は、自分の中で煌めいている場所。力をもらう場所。朝でも夜でも月がなくても星がなくても、私にとっては煌めく場所!」と。
そして、春日大社・林檎の庭で書の奉納が映し出されました。早朝のまだ真っ暗な中、和ろうそくの灯りだけで、「煌」という字ができ上がりました。

書と尺八のパフォ−マンス
薄暗い会場内に、桃蹊さんの気迫のこもった筆が紙の上を走る音と尺八奏者・松本太郎さんの尺八の音が響きわたります。そこに春日大社の映像が流れると、深夜の春日大社・林檎の庭での奉納のよう…。そして、三枚の紙の貼ったパネルにそれぞれ筆を持ち替えて「雲無心」(くもむしん)と書き上げ、最後にこの三枚を横に並べます。(雲無心とは禅語で、「自然に従い何物にも束縛されず、悠々と心静かに生活することのたとえ」だそうです)

尺八奏者の松本さんは「書に音をつけるのは、独特の間がいる。前から準備した曲というよりは音をつける!という感じなのです」とおっしゃられていました。

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そして保山さん登場です。
「僕は、『神様には真心しか伝わらない』という言葉が大好きなんです」と言われ、「どっちを向いて奉納してるねん!というおまつりが、京都でも奈良でもあふれている。それを奉納という言葉で軽々しく使うのはどうなのかな」と・・・。

そして世界的チェロ奏者のヨーヨー・マさんが大仏殿に奉納演奏された時のお話をしてくれました。20年ほど前、保山さんが毎日放送でお仕事をされていた時「僕たちはその準備にカメラ5、6台で大仏様を背景に、大仏様の下で彼を待っていたんです。」

「そしたら彼は、大仏様の方を向いて演奏したんです。僕らはもうパニックでした。でも考えたら当たり前!僕らはそんなこともわからなかったくらいパニックでした」「僕らは『人間ごとき』を相手に演奏することを考えていた。ヨーヨー・マは照明なんて全く気にせず、すべてを大仏様に披露し捧げた。その満足感の顔‼」

「そしたら、また『人間ごとき』がアンコールした。大仏様が『アンコール!』って言いはったらしてもいいけど(笑)そんなことは言いはらへん」「その時のヨーヨー・マの背中がかっこよかった!男が一番かっこいい背中を見せた瞬間だった」と熱く語られました。

― そして、場内には、さだまさしさんの曲が流れます ―

保山さんの春日大社への想いに、さだまさしさんが共感されて実現するお話。
「午前0時を超えて、春日大社にさださん一人。遠くから聞こえてくるさださんの奉納の歌声。保山さんは「しびれた!こんな音楽を聴いたのは初めて」だと。「神様だけを見て、うまく歌おうとかでなく、歌を捧げた。それが僕の心を動かした!」「そこにいた人たちは皆聞くだけで涙が出た。神のため、人のため、一番大切なことを教えてもらいました」と。

そして「僕のカメラで『撮ってほしい』とさださんは言ってくれた。カメラ1台。1カットで。」「さだまさしが中国で何十億円という借金をして、どん底で生きる望みを失った時作った曲。それを僕のカメラ1台だけで撮らせてくれた。和ろうそくの灯りだけで。」

「カメラマンとして30年、このワンカットを撮るため!僕が築いてきた技術も経験もこの一瞬のためだったんだ‼」と。「自分の人生に合点がいった!」と。

「これ僕の30年、35年を込めたカットでした。春日大社花山院弘匡宮司さんが、これは何のためか?と聞いてこられた。さださんはさだまさしをいただいて、さだまさしとして奉納。生きて、生まれてきたことすべてを神に奉納してお返しするといわれました。僕は自分が与えられたことをやりきることに合点がいきました!」と。

しかし一方で保山さんは嘆きます。「そんなさだまさしさんの奉納を奈良の人はぜんぜん取り上げない!悲しい!」「なんちゃらコンサートっていって、お寺でおまつりを奉納するって・・・」「さだまさしに学ぶことが多いです!」とおっしゃっていました。

奈良まほろばソムリエの会による「奈良百寺巡礼〜聖林寺〜」

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さぁ待っていました!今回は、当会より道崎美幸さんが聖林寺のご住職をお招きしてのトークタイム。『奈良百寺巡礼』の中で聖林寺を担当された道崎さんは「桜井は私の大好きな横穴式石室があるところです」と古墳好きにはたまらない桜井もピーアール!聖林寺のご本尊は、子授け・安産の神、お産の時には一緒に汗をかいて応援して守って下さるというありがたいお地蔵様。そんな巨大なお地蔵様のことや十一面観音様のこと、ソムリエ試験でのひっかけ問題「聖林寺のご本尊は?」などをお話されました。

―聖林寺の四季と国宝十一面観音菩薩像の上映―

保山さんによると今まで撮るのが難しく、避けてきたという十一面観音様。こん身の魂をこめた映像を見せていただきました。(いったいどのようにして撮られたのだろうと頭の中は?でいっぱいの映像でしたが、観音様の存在感にただただ圧倒されるばかりでした)

そして聖林寺の倉本明佳ご住職がご登壇されます。和辻哲郎さんの『古寺巡礼』を片手に聖林寺に訪れた白洲正子さんのことなど興味深いお話をしてくれました。例えば「『百寺巡礼』の中で、和辻哲郎さんは十一面観音様を路傍に捨てられたと紹介されていますが、これは間違いで、大切に守られながら聖林寺に来られたのです」等々。
十一面観音様の観音堂は、60年経ち耐震工事が必要で1億円以上もかかるそうです。来年の5月連休までは現在の場所で拝観できるとのこと。「どうぞ足をお運び下さい。そして寄付もお願いします。」とのことでした。(その後、東博や奈良博にも!目が離せませんね〜)


そして、「桜井といえばこの方!」と壇上からお声がかかります「雑賀さ〜ん!」。当会雑賀耕三郎副理事長、今回は「聖林寺の十一面観音様は厳しいお顔をされているでしょ。皆さんを助けて励まして下さるんです。たくさんの人が守ってこられたのです。寄進も大事!ぜひ拝観もしてほしい。そうすると観音様も喜んで下さる!」とお話しされました。すかさず司会の方から、「以上、応援演説でした〜!」と言われると会場はどっと笑いに包まれていました。

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曽爾のススキ上映解説
「曽爾村のススキ、これは4年前の映像です。」と保山さん。「今はこのススキは見られません。栄養がなくなったのか、台風の影響なのか昔のようなススキの海が見られないのはなぜかわからない。見て下さい!感じて下さい!」と。

「当たり前にと思っているものが突然姿を消すんです。奈良を撮影していると、そういうことの連続です!」と警鐘を鳴らします。

「土門拳も愛した、僕の世界で一番好きな造形!それは、室生寺の十一面観音さん。とうとう金堂から運び出されたその時、お寺の人は『もう戻ってこないのか‼』とみんな涙を流されたとか…。ポツンと穴のあいた観音様のおられた場所…」

「自然、家族、友達、いのち、当たり前の中に本当に大切なものがある!ということをススキの映像から見てほしい」と保山さん。そして紹介されました「もう見られなくなった。いつかまた見られることを期待して『曽爾のススキ』」

― 曽爾のススキ上映 ―

保山さん、今回も素晴らしい映像と熱いトークをありがとうございました。皆さんも保山さんと素敵なひとときを一緒に過ごせてご満足のお顔でしたよ〜(^^)

次回は10月5日(土)、ならどっとFM『岡本彰夫の奈良、奥の奥』の公開収録、奈良百寺巡礼は正暦寺、豊田敏雄理事長と鉄田憲男専務理事のご登壇です!またまた楽しみです。(チケットはいつもすぐに完売になってしまうのでお早めに‼)


広報グループ 文:増田優子  写真:松森重博理事


posted by 奈良まほろばソムリエ at 08:43| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月22日

「奈良、時の雫」第2回「祈り」保山耕一さん上映会

8月3日(土)保山耕一さんの作品上映会の第2回「祈り」が奈良公園バスターミナルで行われました。この催しは当会とコラボで月1回第1土曜日に開催されています。

7月の上映会では、予想をはるかに上回る来場者でした。入場できずに帰られた方、会場ロビーのモニターで観られた方続出!(音は出なかったけれど映像だけでもと…)ということで、まずは本番10分前の反省会から始まりました(もちろん今回も満員御礼!)

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本番10分前の反省会
前回のことを誠心誠意お詫びされる保山さんと『ならどっとFM』社長の中川直子さん。何度も何度も申し訳なさそうに頭を下げられていました。「ならどっとFMって本当少ない人数なんです。最低賃金かと思うくらいで運営されていて。奈良って本当スポンサーがつかない。」と本音をちらり。

「でもね、そういうスポンサー・大企業に頼らないで、カンパが集まらなかったら自腹でやる!」「皆さんがスポンサーで、皆さんの力で成り立っているんです。前回のカンパのお陰で、あと2回分は開催できます。」

「いつも『ありがとう』ってよく言われるんですけど、こちらが『ありがとう』なんです。ほんまに!」って。「僕は奈良の魅力を発信したいんです。」と強いお言葉から、保山さんの真心が伝わってきます。「『三方よし』って言うじゃないですか。奈良県とゲストの方々とお客さん。そうやって成り立っていけるといいなって思っています。」

そして、前回の上映会を終えた後に届いたメールやハガキのお話をしてくれました。「NHK『こころの時代』を拝見。車で2時間かけて行きましたがすでに満員!入れませんでした。会場ロビーのモニターを観て、『良かったなぁ、良かったなぁ』と感動して帰りました。」というご夫婦を紹介。

保山さんは「会場の外の音の入らないモニターで映像だけを観て『良かった、良かった』って言わはるんですよ。そして2時間もかけてまた帰っていかれる…僕はもう夜も眠れないほど自分を恥じました。涙が止まりませんでした。今も…」と。

図書情報館、国営平城京跡歴史公園からのお知らせ
ここではまず、県立図書情報館の伊藤さんを紹介。「ここの手作りのチラシ、すごく面白いんですよ〜」って保山さんお薦めです。続いて平城京跡歴史公園の夏休みイベントのお知らせや奈良公園バスターミナル竹田博康室長の「ワンポイントまほろば講座」。今回は奈良公園のディアラインのお話でした。

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五條のひまわり
さて、いよいよ「五條のひまわり」の映像です。こんなに美しくなつかしい日本の原風景が奈良に残っているなんて!それもピアニスト・すみかおりさんの生演奏とコラボで観られるなんて。やっぱり本当に贅沢‼(ご覧になりたい方は、なんと!保山さんはYouTubeで発信して下さっていますよ〜(^^))

うっとりとしていると、おやおや、次は我がソムリエの会副理事長・雑賀耕三郎さんの登場です。

奈良百寺巡礼〜安部文殊院〜

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当会ベストセラー本『奈良百寺巡礼』から毎回1つのお寺を選んでご紹介という企画。雑賀副理事長は「今日の映像を持って浄土に行けば、えん魔様が『おぉ、こんな映像を持ってきたのか。許してやろう』とおっしゃって下さるのでは?」と言われると、会場はどっと笑いにつつまれていました。そして、この日の本の売れ行きは約100冊!

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今回は、安部文殊院の植田悠應(ゆうおう)副住職をお招きしてのトークタイム。お寺のご由緒や「三人寄れば文殊の知恵」のこと、受験生だけでなくボケ封じのことも話されました。そういえば、ボケ封じのお話では、日頃の生活で良くない習慣を教えて下さいましたよ。

「一番良くないのが、テレビの見過ぎ!情報が一方通行ですから」と。そして「一番危険なのがテレビに喋りかける人」ですって(会場では苦笑いする人がチラホラ)。ちなみに、良いことは「旅に出ること」だそうで「いろいろ想像したり、次はどこへ行こうかとか考えるのがいいんですよ」ということでした。

安部文殊院といえばお花!にも注目です。毎年9月中旬にはコスモス迷路ができあがります。実はこの迷路、年々出口へ抜け出るのが難しくなっているようで、中で助けを呼ぶ人もいるそうです(会場:笑)また、パンジー8000株で作る干支も大人気です。この干支は安部文殊院ホームページに掲載されているので、次の年の干支を年賀状に使われる方もいらっしゃるとか(なるほど!グッドアイデア)。

保山さんいわく「撮影に行った時、植田副住職がドロドロになって、コスモス迷路を自分で作ってはるんですよ。業者の方かと思いました」(会場:笑)「でも、ドロドロになって、汗だくになって作業してはるお姿を見ただけで、『あぁ、いいお寺やなぁ』と思いました。」「おもてなしは、あえて大和茶!黙っていたらわからない。コストをかけてでも大和茶を出したいというその思い!その心配りに僕は撮影に行っても癒されるんです。」と。

「『どんな時でも迎えてくれる』これが奈良のお寺のいいところです。」「皆さん、ぜひ足をお運びください。」とおっしゃっていました。

そして、会場は一気に今回のテーマ「祈り」へのいざないに変わります。音楽は一切流れることはなく、ひたすら植田副住職の声明。その声の響く中、流れる雲、清らかな水、風、山、安部文殊院本堂、境内、渡海文殊群像、月、雲、額の汗・・・もう会場は静まりかえって祈りの場に!あちこちで手を合わせる方がいらっしゃいました。

そして、保山さんより来月(9月7日)の予告
「来月は聖林寺です。(9月チラシの写真には観音様の美しい指)この手を見ただけで、優しさが伝わります。」「けれどね、びっくりするくらいお寺に人が来ないんですよ。」と。そして「映像詩は『かすがの煌めき(きらめき)』。今から3年前に僕が遺書として春日大社に奉納した映像です。まぁ一度奉納したものなんですけど…これが最後です。」と。(次々に観たい映像を予告される保山さん。そりゃぁ皆さん観てみたいと思われますよ〜)

「9月からは上映会チケットが1000円になります。その一部をお寺に寄進します。耐震工事のお金がないんです。1人でも多くの人から多くのお金を集めて、お気持ちを頂いて建築費にあててほしいということになりました。」「皆様どうぞよろしくお願いします。」とおっしゃっていました。

休 憩(休憩を挟むと見慣れない楽器がステージに並んでいます)
映像詩:蓮

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野田真喜子さんのクリスタルボウルの生演奏に合わせて「映像詩:蓮」が始まりました。なんとも言えない心地良い音色にお客様の脳にはアルファ波が出現したのでは?しかもこれが保山さんの映像とピタリとはまる素敵なコラボ!

和蝋燭(ろうそく)の祈り
次は海龍王寺のイケ住(じゅう)こと石川重元ご住職と保山さんのトークです。石川ご住職は「保山さんのカメラからは〈圧〉が来るんです。カメラからくる〈圧〉に負けてしまうのです。保山さんは、観音様の前で全く別人になります。ごまかしが通じない。自分の120くらいを出さないといけない。自分の持っているもの以上を出さないと映らないんです。」とその時を振り返ってお話下さいました。

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保山さんは「蝋燭(ろうそく)の灯りだけで観音様を照らすには、どこでどう撮ればいいのか」と考え続けます。「蝋燭は、日本に仏像が入ってきた時に一緒にやってきて、仏像を拝むために作られたのだから『蝋燭一本だけの灯りで新月の日に祈りましょう』」ということにたどり着き、そこから石川ご住職とのつながりが始まります。

石川ご住職もどのようにすれば、仏様への想いを伝えられるのだろうと考えていた時に保山さんから提案があったそうです。「大きな和蝋燭1本で仏様がほほえんだり、怒ったりしているお姿を映し出す。仏像だからこその灯りを保山さんの映像によって奈良時代の再現ができたのです。」と。

保山さんは「キーワードは『畏怖の念』なのです。物が残ればいいというのではないのです。」と「心がどう伝承されるかが大切!」と強く訴えておられました。

石川ご住職は、この夏、親子での修学旅行企画をされています。「子ども達もものすごく敬虔になるんです。背中はピシッとなります。仏様は見ている子どもの心にも訴えかけるものがあります」と。子ども達に祈りの本質を伝える機会を増やそうという活動もされているそうです。

保山さんはご住職のことを「平城京のために!残したい奈良のために!何ができるのかとこの暑い時に走り回ってはるんです」。そして「地域のために!地域とともに!『イケ住』のこと尊敬しています」とおっしゃっていました。また「明日も東京のまほろば館へ行くらしいんです。何事にも全力!東京では食べ歩き、グルメ情報まで取材してくるんですから。やりすぎ!」(笑)

でも「自分でやらないと納得できない。自分で見てきたこと、聞いてきたことを伝えたい。可能な限りやっていきたい」とおっしゃるご住職に、保山さんは共感し尊敬されていました。

20年目の祈り ―なら燈花会 2018−

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ここでは、なら燈花会の会4代目「直前」会長の中野聖子(さとこ)さんとのトークから。「今年21回目、奈良の夏の風物詩になってきました。最大10万個、毎日つけて、毎日消します。警備代だけは出してもらいますが、あとは全てボランティアです」と。

最初企画案を出した時は、「木造建築の多い奈良で、裸火でそんなことをして、奈良公園を燃やす気か!」と怒られます。「灯り1つに消火器1つ置きなさい」と無茶を言われてしまいます。「でも、あきらめなかった!!」コップに水を入れ蝋燭を浮かべたら自動消火器になるという仕掛けを作ってOKをもらいます。「電気でスイッチオン!とつける灯りとは違うんです。このお祭り100年200年と蝋燭の火を灯すイベントだといいな」と中野さん。

保山さんは「春日大社前権宮司の岡本彰夫先生は『祈りのあるところなら1000年、2000年と続きますよ』と言われました」「無意識のうちに手を合わせてしまう不思議さ、真夏の夜をぜひ楽しんで下さい」と。

そして、保山さんは今回の映像のことを「夕日、鹿の表情、鳥が鳴いて春日大社と一体化していく。燈花会のあかりを通して、寄せ合っている、寄り添っている、そういう気持ちで撮りました」。「生かしていただいてありがとうございます!」と心をこめておっしゃっていました。

また「自分が地域に貢献できたのも中野さんのお陰」と言われて「中野さんの生き方にあこがれたんです。いきいきと地域のために生きて、まわりの人に愛されて。僕はなんで今までこういう生き方をしてこなかったんや。自分のことばかりやった」と。

こちらは、野上朝生(ともお)さんのピアノと平岩雅子さんのソプラノとコラボ!胸の奥まで響く生演奏です。たっぷりと堪能させていただきました。

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保山さんは「元気なうちにこの奈良公園バスターミナルにグランドピアノを入れたい」と次の夢を語られます。「ピアノ祭りをしたいんです」「世界的なピアノを屋上へ持って行って、ちょうど夕日の時に演奏するんです」というのです。会場からは「わぁ〜!」と歓声。「スポンサーは皆さんです。大仏様を造られた聖武天皇のようにというと大それていますが、そういう心で。子どもも100円という気持ちで。」(会場の方の笑顔、笑顔。もう賛同する気になっていますよ〜)

「僕が『奈良はこんなに素晴らしいところです』って発信したら、あるご家族からメールをいただきました」と。「僕の映像を観てもらうのがあと2日早かったら…という思いがあったり…」「実は、東京からお父さんと娘さんの親子二人で来たかったらしいんです。娘さんはうつ病で…YouTube見ていてくれたらしいんですけど…自殺されて…」と。

また、余命2,3日の方で、奈良で生まれ奈良で育った方が、亡くなる前に氷置晋さんと作った僕の映像を観たいと言われて、送らせてもらいました。そして、それを観てから亡くなられました…、そういう出会いもありました。」保山さんは「私は皆さんの想いの中で支えられています。私は撮るだけ!行けるところまで行かなきゃ!そう話してくださいました。


最後は「桜」です。保山さんは「長谷寺の本堂から迎えられる桜。な〜んか楽しそうに大空に舞い上がって、ひとしきり舞った後、最後は本堂の仏様のところに飛び込んで行く」そう優しくおっしゃっていました。祈りをのせて散る桜は人々の心の奥の奥にまで舞っていくことでしょう。

保山さんの映像は、奈良の景色はこんなにも美しく素晴らしい!と気づかせてくれます。今回もたくさん温かい拍手が、会場いっぱいにいつまでも響いていました。保山さん、素敵なひとときを本当にありがとうございました!そして今後の映像、企画も楽しみにしてるファンは間違いなく多いことでしょう(^^)

(盛り沢山のプログラムにどれもこれも魅せられて、全部書いてしまいました。長いレポートなのに、最後までお読み下さった方ありがとうございました。)


文:広報G 増田優子 写真:鉄田憲男

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