2013年06月15日

第1回 啓発グループミーティング 報告

平成25年6月9日(日)、奈良市西大寺にある南都銀行西大寺銀行クラブで、NPO法人化により新たに発足した啓発グループの第1回目ミーティングを開催した。(出席者 13名)

冒頭、担当理事の大山より「啓発グループ」発足の経緯を説明するとともに、愛称を「奈良文化発信隊」とし、「楽しい企画をするグループ」として、現在、実施中、企画・検討中の活動内容について、次の通り説明を行った。

●発足の経緯、今後の活動について  

<自主勉強会>(3ヶ月周期で実施)
(4月〜6月)
「奈良の食」勉強会  講師 山根清孝さん
4月24日(水)、5月15日(水)、6月12日(水)午後6時半より開催。
食事会を6月29日(土)11時半より奈良町の旬彩ひよりで開催
(7月〜9月)
「記紀を愉しむ」〜記紀から古代大和の歴史の深層を見る〜 講師 木村三彦さん
7月17日(水)、8月21日(水)、9月4日(水)、18日(水)午後6時半よりで開催。
 (10月以降については、順次検討中)

<うまいもの研究会>
(調理実習会)
伝統料理、大和野菜等の調理実習会を検討中(10月実施で講師の方と調整中)
(食事会の開催)
近鉄奈良駅近くの「ほおずき」さんなど、美味しいお店を探して食事会を開催予定

<奈良検定受験支援>
(奈良検定対策講座)
「クラブツーリズム奈良」で1級(9月29日)、2級(10月27日)ともに実施予定。
(奈良商工会議所・東京検定講座)
奈良商工会議所から依頼の東京での検定講座(2回実施で各90分)について、1回目(10月5日)は鉄田専務理事が、2回目(11月2日)は担当理事の大山が実施予定。
(奈良商工会議所・体験学習プログラム)
今年度は、王寺(5月26日)、五條(9月21日)、宇陀(10月20日)、田原本(11月23日)で開催。(今年度は日程、担当者とも決定済。来年度より啓発Gで担当し実施)

<研究発表会>
11月〜12月頃開催の予定。(以後、年2回の開催とする。)場所は奈良中小企業会館中会議室(70名収容)を想定し、発表にはパワーポイントを必須とする。
啓発Gでは、配布資料準備、会場設営・準備、受付・進行等の対応を行う。

●各グループへの参加確認
参加者に各グループへの参加希望を確認した。また、当日欠席者については、改めて確認することとなった。

●定例会の日程について
定例会は「毎月第一日曜日」に行うこととし、当月の議案の状況によっては、各リーダーのみの参加としたり、特定のグループにお集まりいただいたり、場合によっては休会としたりすることとし、事前にメール等で連絡する。
なお、会員間については、日頃からメール等を活用した情報交換に心がける。

●記念講演「古事記入門」
鉄田専務理事によるパワーポイントを使った、記念講演が行われた。
古事記を理解するうえでのポイントの説明とともに、パワーポイントを使った講演時の注意点など、今後のセミナー、講演会での発表を行っていくうえの種々の注意点について、詳しく説明があった。
20130615_1.JPG

何とか、啓発グループのスタートを迎えることができ感慨ひとしおですが、まだ始まったばかりであり、奈良まほろばソムリエの会の皆様の温かいご支援を受け、奈良の文化発信のために、頑張っていきたいと考えています。これからもご支援よろしくお願いします。

啓発グループ  大山 記
    


posted by 奈良まほろばソムリエ at 17:49| Comment(0) | 啓発G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月18日

第2回「奈良の食」勉強会 実施報告

平成25年5月15日(水)「自主勉強会」の奈良の食勉強会の第2回目を開催しました。
(開催場所:南都銀行 西大寺銀行クラブ)

講師は前回に引続き、現在平群町在住の「食品開発コンサルタント」でNPO法人「奈良の食文化研究会」の会員の「山根清孝」さんです。

20130518_1.JPG
(講師 山根清孝さん)

第2回目の今回は「奈良茶飯」、「柿の葉ずし」、「お菓子のルーツ」、「素麵」、「蘇」の奈良の伝統料理や奈良がルーツとなったものについて説明があった。

<奈良茶飯>
米と炒った大豆を茶で炊いたもので、東大寺や興福寺の僧坊では古くから食されていたが、江戸時代に庶民の間で広まった。江戸時代最大の火事「明暦の大火」の直後、浅草の茶店でこの奈良茶飯にみそ汁や煮豆をそえた「一膳飯」(今の定食の始まり)を提供し評判であった。また、東海道の川崎宿にあった「万年屋」は、東海道を旅する人や川崎大師に参拝する人の間で、奈良茶飯で有名であった。
奈良でも興福寺境内にある「柳茶屋」などで提供されているが、川崎市では平成13年に開催された「大川崎宿祭り」で「万年屋」とともに、「奈良茶飯」が再現された。

20130518_2.JPG
(東海道川崎宿万年屋の奈良茶飯)

<柿の葉ずし>
柿の葉ずしは、柿の産地の吉野川沿いと塩鯖の出会いであるが、これについては諸説がある。柿渋のタンニンは様々な用途に使われている。
地域的には吉野川沿いは柿の葉ずし、吉野山間地は朴の葉ずし、十津川郷ではさんまずし、さばずしと地域によって分かれる。

<お菓子のルーツ>
垂仁天皇の命により「非時香果」を探しに行った、田道間守が「橘」を持ち帰り、「果」と言えば果物であったことから、田道間守は「菓祖」として信仰されている。
「ぶと」とは春日大社の神饌であるが、そのままでは少し硬く、「萬々堂通則」で工夫しお菓子として売り出したのが、「ぶと饅頭」である。
奈良市の漢国神社境内には饅頭の祖、林浄因を祀った林神社がある。

<素麵>
長屋王の邸宅とされるところからは、木簡に素麵の由来とされる索餅(さくべい)と書かれたものが出土している。室町時代に現在の形になったとされる。

<蘇>
「延喜式」には牛乳を十分の一に煮詰めたものと書かれており、チーズのような味がする乳製品である。

前回話題となった、雑煮の餅を取り出してきな粉をつけて食べるという習慣に関して、分布図の説明があり奈良県北部から吉野川流域にかけて広く見られるのは事実であった。

講師の山根さんからは、奈良にはいろんな食品のルーツとなったものは多いが、十分な記録保存、継承がされてなかったことから、「奈良にうまいものなし」なんて言われることになるのではとの話があった。
山根さんの経験によれば、単独で商品を出してもだめで、競合他社が出てくることにより、売上が伸び利益の向上につながるのであり、奈良の伝統料理である飛鳥鍋や奈良茶飯などもいろんな飲食店で提供し、競合することにより売上の向上につながるのであり、いろんなところで提供できるように工夫したらどうかとの提案があった。

いよいよ、次回の勉強会と最終の食事会で終了となってしまうが、奈良の食についていろいろ話が聞けて本当に楽しいです。
次回の勉強会と食事会が本当に楽しみである。

              
啓発グループ 大山 恵功 記
posted by 奈良まほろばソムリエ at 10:24| Comment(0) | 啓発G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月27日

第1回「奈良の食」勉強会 実施報告

 平成25年4月24日(水)啓発グループの第一回目の事業となる自主勉強会(「奈良の食」勉強会)を開催しました。(開催場所:南都銀行 西大寺銀行クラブ)

 講師は現在平群町在住の「山根清孝」さんで、食品会社で長らく食品の開発・製造・販売に携わってこられた。退職後「食品開発コンサルタント」として、奈良県の「農林部・農政課の農政アドバイザー」として長く活躍されるとともに、NPO法人「奈良の食文化研究会」の会員として、奈良の食文化を深く研究されてこられた方です。

20130424_1.jpg
<講師「山根清孝」さん>

 第一回目は「大和に日本の食のルーツを訪ねる」と題して、奈良の食文化の全般にわたるお話でした。まず、「古墳時代から平安中期頃」、「平安中期以降」、「江戸中頃から現代」に分けて奈良の食にまつわる話があった。日本の食文化は、仏教伝来により明治5年まで「殺生肉食」を禁止してきたことに特色があること。奈良は古代にはいろんな食材が入ってきており、ルーツとなったものも多いとのことでした。

 次に地域別の特性ということで「奈良盆地(國中)」、「葛城山麓」、「大和高原」の地域的特性について話があった。奈良盆地では明治27年〜大正13年、昭和5年〜9年までは、米の反当り収穫量は、日本一であった。また、雨が少ないことからため池も多く、そこで育てられた「コイ」、「フナ」、「どじょう」、「タニシ」もよく食べられていた。明治以降、「大和すいか」もたくさん作られていたが、現在は最盛期の10分の1程度で、種取り用として栽培され、全国のすいかの種の8割が奈良県産ということである。
 また、奈良市の一人当たりの牛乳の消費量が日本一であること、奈良県のコーヒー消費量は日本一との説明があった。

 次に各テーマからの切り口として大和の「社寺行事の特別な行事食」、「郷土料理」、「伝統食品」という観点から話があり、各論として「茶がゆ」と「お茶」に関する話があった。
 郷土料理の「飛鳥鍋」については、各飲食店がタイアップして売り出したらよいとの意見をおっしゃっていた。奈良発祥のお菓子として「フライビーンズ」の紹介があり、むかし奈良の特産品であったそら豆を油で揚げたものである。

 最後の質疑応答もなかなか盛り上がりをみせ、奈良県内で見られる正月の雑煮の餅を取り出して、きな粉をつけて食べるという習慣については、参加者の意見交換によれば、奈良県内一円で見られるとのことでした。(県外からの転入者、県外在住者からは意外という感じの感想でしたね。)

 講師の山根さんは、奈良はいろんな食品のルーツとなったものが多く、調べれば調べると面白いと言っておられました。
 次回からは、いよいよいろんな郷土料理などに関して、各論として詳しく説明がある予定で楽しみです。

啓発グループ 大山 恵功 記
posted by 奈良まほろばソムリエ at 11:35| Comment(0) | 啓発G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする