2019年10月12日

第2回サクサクわかる万葉講座 「万葉集の花」

講師 石田一雄さん

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令和元年9月28日(土)南都銀行大宮支店ビルの4階において、「第2回サクサクわかる万葉講座」が25名の参加で行われました。今回の講師は当会理事の石田一雄さん。石田さんといえば、昨年、鑑真和上のふるさと揚州大明寺を訪ね、講演されたという探求心旺盛なお方!今回は、万葉集の花を四季折々愛でる楽しさをお話して下さいました。

まずは、鉄田専務理事より、令和・万葉集のブームに乗って、次々開催される当会のイベントを紹介されました。(詳しくは当会のホームページをご覧下さい)

その中でも、12月7日(土)はJR西日本とコラボしたウォーキングが開催されます。「JR奈良駅から巻向駅まで、4両編成・貸切の新型車両に乗ります。当会万葉集の講師・米谷潔さんが車内放送でミニ講話をしてくれます。約30分、耳を傾けながら、柿の葉ずしのお弁当をいただきがら、巻向駅に向かいます。駅からは当会ガイドグループが万葉歌碑を巡りながらご案内。我々だけの臨時列車で、他にはない当会ならではの楽しいツアーです。ご家族、ご友人お誘いあわせの上、たくさんの方のご参加をお待ちしています」。

そして、「この秋からリニューアルの奈良テレビ『ゆうドキッ!』に当会会員がレギュラー生出演します。毎週月・木曜日です。奈良の行事イベントやグルメ(狭いエリア限定のあまり知られていないお店)を紹介します。芸人さんも入って楽しい番組になるので、どうぞご覧下さい」とのことでした。

さて、石田さんの講座「皆さん、万葉集の花は奈良県のどこで見ることができるでしょう?特に万葉集にしか出てこない花も今日は紹介します」と始まりました。

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1. 万葉集の植物

「4516首の歌のうち、1700あまりの歌に植物が詠まれます。その種類は150〜160種。花の名・植物の名が特定できないものを加えると延べ2200首以上」だそうです。

万葉集の植物には、実生活に必要であった植物が多いようで、それらを紹介されました。また万葉集全体で植物を詠んだた歌数の多い歌人ベスト5として、@大伴家持220、A柿本人麻呂68、B大伴坂上郎女30、C大伴旅人26、D山部赤人25、を紹介されました。

歌数の多い花として、@萩142、A梅119、B橘69、C桜47、D尾花(ススキ)43、と紹介したあと、「今日は歌数にこだわらず、一つの花に一首ずつ歌を紹介します」と。

そして、花として観賞価値のある樹木や草50〜60種から、奈良県で見られる36種についてそのスポットと歌を紹介されました。

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2.四季の花と歌

(1)冬の花
梅:「まずは令和の梅から。梅は春を先取りする歌。山の斜面にフワーッとピンクや白に、香りもいいですよね。」と奈良県の三大梅林はもちろんのこと、奈良市内の片岡梅林もお薦めされていました。「円窓亭の近くに古い木が多く、とてもきれいです」と。

(2)春の花14種
桃:「桃が集まって咲いているのは石舞台!昔、遠足で行った時には何もない土手でした。これは観賞用に植えられました」と。「春の苑 紅にほふ桃の花 下照る道に 出で立つ少女(おとめ)」と大伴家持の歌を読まれ、この歌は「桃の花の下の道に、少女が現れたらいいなぁと空想で歌われたのでは?と言われています」と解説されました。

「ちょっと脱線しますが…有名な(うすいピンクの)又兵衛桜は、その後ろに濃いピンクの桃が咲いているから、その色がよく映えるんですよ」と。(なるほど!です)

椿:「椿と言えば、大和三名椿!しかしこの三つが同時に見られる所があるんですよ!」「当会ガイドグループの戸尾さんの『椿寿庵』(ちんじゅあん)が大和郡山市にあります。」とご紹介。

「戸尾さんはボランティアで、たくさんの椿300種をビニールハウス2棟で育てておられます」とおっしゃると、場内からは「へぇー、すごい!との声。(これは春には必見の場所ですね。戸尾さん、来年の春を楽しみにしています。)

また、桜井市玉列(たまつら)神社の椿祭りのお話もされ、やはり椿といえば万葉集「巨瀬山(こせやま)の つらつら椿 つらつらに 見つつ思(しの)はな巨瀬の春野を」を解説。この歌を詠った坂門人足(さかとのひとたり)はこの一首しか万葉集に載ってない人で、持統上皇の紀伊行幸の随行時に詠んだとのこと。

かたかご(カタクリ):「県内で見られる場所は少ないですが、葛城山に行って、歩いて登ると途中の湿地に群生しているのが見えます」と。そして万葉集には「物部(もののふ)の八十少女(やそをとめ)らが…」をご紹介。「乙女が出てきますが、これまた想像!」とのことでした。

さくら:当時の花見は梅でした。桜の花見が庶民に普及するのは、徳川吉宗の江戸時代からです。ソメイヨシノは新種で、クローン桜です」と。「万葉集の時代の桜はヤマザクラ。山を登っていく桜は他の所にはなかなかありません」と吉野山の桜をご紹介されて、山部赤人の「あしひきの山桜花…」を読まれました。

また「いつも悲しいのは、奈良のヤエザクラが注目されないこと。5月の連休頃に咲きますが、ソメイヨシノの桜前線は青森、北海道へ行ってしまって、その頃に奈良のヤエザクラが咲いてもあまり話題になりません。今度、「ゆうドキッ」で取り上げてくれるかなぁ(笑)」とおっしゃられました。

梨:石田さんが宇陀市の仏隆寺で写された美しい梨の花の写真とともにご紹介。「仏隆寺といえば千年桜が有名ですが、門前の崖に咲いているのを見て満足してしまい、お参りに行かない人がいる」と憂いておられました。「門を入ると、奥に咲いている梨のきれいな白い花をぜひ見に行って下さい」と。

ツツジ:ここでは、葛城山と御所市の船宿寺。「船宿寺は、すごいですよ!門に入ったらつつじで埋まっていますから」と。「船路集落のオオデマリに出迎えられ、船宿寺に入るとツツジ、奥にシャクナゲ。ぜひ一度お出かけ下さい」と。そして、「舎人(皇族に従う従者)が草壁皇子と生前に行ったことを思い出してうたった歌」を詠まれました。

藤:藤!といえば萬葉植物園。「ここは藤の園、200種2000本でほとんど藤棚になっていない。立ち木のまま育てている。昭和7年に開園された第1号で、萬葉植物の8割以上がある」そうです。石田さん、一番のお薦めは5月5日と11月3日の南都楽所(がくそ)の舞楽でそれぞれ子供と大人が行います。

他にも馬酔木(あしび、あせび)、やまぶき(般若寺)、つみ(山法師)、あやめぐさ(花しょうぶ、馬見丘陵公園)、うのはな(うつぎ、長谷寺、県立万葉文化館)、かきつばた(長岳寺、法華寺)、あざさ(三宅町)など万葉集の春の花を愛でる場所を教えて下さいました。

(3)夏の花7種
あじさい
有名なのは矢田寺ですが、空いていてお薦めは長岳弓寺です」と、橘諸兄のあじさいの歌を紹介されました。

他にもくれない(べにばな)、ねぶ(ねむ)、はねず(ざくろ)むらさき、ささゆりの花と歌をご紹介。

はちす(蓮):ハスは西大寺、喜光寺、唐招提寺、薬師寺のロータスロード4か所のことと、JR大和二見駅近くの生蓮寺(五條市)を紹介されました。

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(4)秋の花14首
秋の花、あさがお(「桔梗」のこと、円成寺・元興寺)や萬葉植物園の「くず」「なでしこ」や明日香村の「をみなえし」に因(ちな)んだ万葉集を読まれました。

藤袴(ふじばかま):曽爾村のふじばかまと山上憶良のこれぞ秋の七草!の万葉集「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花(おみなえし)また藤袴あさがほの花」を読まれ「春の七草は食用!秋の七草は観賞用!」と教えて下さいました。

いちし(ひがんばな):彼岸花は仏隆寺と葛城古道を推薦、「路の辺の 壱師(いちし)のはなの いちしろく 人皆しりぬ 我が恋妻を」(自分の奥さんがきれいだということを他の人に知られてしまったという意味)の歌を紹介。

はぎ:萩は元興寺、白毫寺(今年の秋の当会ガイドグループのコースです)

はねず(芙蓉):白い花がだんだんピンクになり、酔っぱらったようになるという「はねず」(酔芙蓉)の橘寺。

また、奈良市内でも見ることができる平城京跡のをばな(すすき)やつきひとのかつら(キンモクセイ)も紹介され、その万葉集も詠まれました。

ちち(乳、いちょう):そして秋が深まる11月に実をつけるちち(いちょう)は、戒長寺のお葉つきイチョウや音羽山観音寺を紹介し、大伴家持の「乳の実の父の命 (みこと) 柞 (ははそ) 葉の母の命…」の歌を解説されました。

もみぢ(もみじ)、さなかずら(さねかずら):もみじは正暦寺・談山神社の美しい紅葉を紹介され、橘奈良麻呂の邸宅で主人を讃えるように詠んだ万葉集「めづらしと わが思ふ君は〜」の歌を教えて下さいました。また、さなかずらは不退寺でした。

たちばな:最後に橘のお話。橘寺や興福寺南円堂をご紹介。「興福寺南円堂の橘は、なかなか花は見られないが、実は長持ちします。平安時代から左近の桜、右近の橘と言われてきましたが、南円堂では左近の藤となっています。」と。

そして、聖武天皇の「橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜降れど いや常葉の樹」を紹介されました。これは「葛城王(橘諸兄)が橘の姓を賜った時に歌われたもので、『橘』は文化勲章のマーク、これをかたどって作っている」そうです。

ちなみに「橘は香りがありますが、皮をむいても小さいものしか入っておらず、酸っぱい」そうで、「実は橘のエキスを使ったお菓子があるんですよ」と。橘寺で除夜の鐘をつくと地元の洋菓子屋さんがお供えしたパウンドケーキをいただけるそうです。石田さんが行かれた時10人〜15人しか集まっていなくて、108撞(つ)くのに(人が足りず)何度も撞くことができたとか。「ぜひ何回でも撞ける除夜の鐘に挑戦して下さい」とおっしゃっていました。


ということで、石田さんは「今年は万葉集の年!ぜひ万葉集の花を楽しんで、それをきっかけにして万葉集の世界に親しんでもらえたら。」と締めくくられました。

今回の万葉講座は、万葉集のことを少しでも知っているだけで、大和路の花を愛でるのが、倍!楽しくなる、すぐにでも出かけたくなる素敵な内容でした。

石田さん、美しい花や樹木と神社・仏閣の写真がいっぱいの万葉集の歌の解説をありがとうございました。万葉の人々の気持ちになって季節ごとの花を楽しもうと思われた方も多かったのでは。当会の令和に因(ちな)んだ万葉講座、まだまだ楽しみ方があるようで続きます。皆さんこの機会をお見逃しなく!


文:増田優子(広報G) 写真:鉄田専務理事
  

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2019年10月07日

女性グループ(ソムリエンヌ)大和三山PART1

― 天の香久山ミステリーツアーへ ようこそ!! ― 
                
9月28日(土)女性グループ10名で「香久山ミステリーウォーク」に出かけました。
香久山は大和三山の一つで、標高152メートルの山です。独立峰の畝傍山、耳成山に比べ、竜門山地にある多武峰から続く尾根の端に位置しているため、山というよりは小高い丘の印象があります。主に硬い斑レイ岩からなり、この山だけ火山性ではありません。
古代においては最も神聖視された山であり、万葉歌も多く残されています。しかし、その山麓には『古事記』にまつわる物語があったり、謎の巨石が点在したり、不思議な世界を感じさせてくれる山でもあります。
今回はそのミステリーを巡る約4.5キロのウォークでした。

コース
畝傍御陵前駅➡本薬師寺➡紀寺跡➡天岩戸神社➡国常立神社➡万葉の森(昼食)➡月の誕生石➡蛇つなぎ石➡天香山神社➡奈良文化財研究所藤原京跡資料室

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《畝傍山を背景に満開のホテイアオイ》

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《ミステリーツアーに参加したソムリエンヌメンバー》

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《本薬師寺の東塔の心礎》
現在の薬師寺の東塔には心礎の穴はなく、西塔にあります。本薬師寺とは反対です。
期待していた南門跡は完全に埋め戻され、表示板もなく、想像するしかありませんでした。

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《香久山》
山というより小高い丘の印象がある香久山も、紀寺跡から見ると、立派な山に見えます。

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《みるく工房「飛鳥」で、西井牧場さんの採れたてミルクを使ったソフトクリームに舌鼓》

次に向かったのが天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)です。

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《天岩戸神社》
香久山の南麓にある神社。御祭神は天照大神で、『記紀』の神話に登場する「天岩戸」だとされる巨岩が4個あります。そして、山の斜面に自生する真竹は古来「七本竹」といって、毎年7本枯れて、7本が新たに生えると言われています。(ミステリースポット@)

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いよいよ香久山山頂の国常立神社へ向かうはずでしたが、蜂の巣があるための規制線が張られ登ることが出来ませんでした。国常立神社が、ミステリースポットAの場所でした。

神話の中で一番初めに出現した国常立神を祀る国常立神社と、境内社に雨乞いの神である高龗神を祀ります。この神殿の前に壺が埋められていて、古来、干ばつの時この神に雨乞いをして壺の水をかえたそうです。今、お参りしても壺の存在は不明ですが、なんともミステリーなお話です。

頂上に登るのを断念し、万葉の森を散策。ここは四季折々の木々や草花が楽しめる場所で、万葉集に詠まれた万葉植物が73種あるそうです。また、万葉集に登場する著名人の歌碑を寺田さんに紹介してもらいながら昼食場所に向かいました。

昼食後のミステリーは、古池の北の道を通り、山道に入って行くルートでした。ひっつきむしのヌスビトハギとイノコズチが手強かったです。

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《香久山の北麓にある月の誕生石》

伝承によると、最初は人が抱えられるほどの丸い石だったが、どんどん大きくなり、やがてお月さまを産んだと言われる巨石になったのだとか。「月の誕生石」に残る白い斑点は、お月さまが生まれた時の足跡だそうです。古代より信仰の対象だったらしく、現在でも信仰されている方がいるらしく、しめ縄が廻らされていました。(ミステリースポットB)

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《月の誕生石の東側にある蛇つなぎ石》

この石を訪れる人があまりいないのか、草が茂り蜘蛛の巣が張る山道をドキドキしながら歩いて行くと、ドカンと巨石が一つありました。
岩肌に幾筋もの白い蛇のような細長い筋が入っていて、雨乞い信仰の対象である竜神(大蛇)をつなぎ置いたとも言われる伝承が残ります。
(ミステリースポットC)

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《山の北麓にある天香山神社》

櫛真智命神(くしまちのみことのかみ)を御祭神とします。この神様は知恵の神様だと言われていますが、占いの神様でもあると言われています。拝殿の奥に本殿があり、その奥には3つの巨石があります。(ミステリースポットD)

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《境内にある波波迦の木》

古事記によれば、この木の皮で香久山の雄鹿の骨を焼いて吉凶を占ったらしいです。

最後に奈良文化財研究所 藤原京跡資料室に立ち寄り、本日の行程は終了となりました。

今回、「大和三山PART1」で香久山を訪れましたが、山のあちらこちらに巨石があり驚きました。
古来より大和三山の中でも香久山にだけ「天」の字がつくのは、この山が天から降ってきたという伝承があるためだそうですが、巨石を見ると、天から降ってきたという伝説にピッタリの場所のような気持ちになりました。


文・写真 女性グループ(ソムリエンヌ)池田喜代


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2019年09月22日

保存継承グループ 五條市西吉野町:波宝神社の「岳祭り」見学記

五條市西吉野町夜中(よなか)の標高614bの銀峯山(ぎんぽうさん)山頂に鎮座する波宝(はほう)神社。平安時代に延喜式内社とされた由緒をもち、1672年(寛文12年)建立の本殿は珍しい連棟社殿で、県文化財に指定されています。秋の例大祭「岳(だけ)祭り」は毎年9月の第2日曜に行われていて、今年は8日、心配された台風の影響もなく、快晴の下、賑やかに執り行われました。

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<本殿は一間社春日造、檜皮葺が二棟接続した連棟社殿形式。祭神は住吉大神と神功皇后>

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<本殿に供えられたお神酒、餅、野菜など。本殿の障壁には祭神の神功皇后の伝承に関係する日食図、住吉大神にまつわる波の絵が描かれています>

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<午後1時、本殿前の割拝殿周辺に関係者が集まり、植原啓勝宮司のお祓いを受け、お渡りがスタート>

中心になる神輿渡御は40年余り中断していましたが、2017年(平成29年)に氏子役員、青年団員らが復活させ、今年で3回目となります。鉄杖、高張提灯や“御幣さん”を持つ各自治会長、主役の神輿2台などが続き、最後尾は植原宮司です。

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<担ぎ手も大うちわを手にした人たちも「ワッショイ!ワッショイ!」「オーッ!」。神社を出発した神輿の後ろを家族らが続きます>

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<本殿障壁の日食図の太陽、鶴などを描いた色鮮やかな“御幣さん”。地名の夜中は日食で夜のようになったことにちなんでいるとされます>

江戸時代制作とされる神輿は大きい方が約30人、小さい方が約20人で担ぎます。担ぎ手は14地区の青年らが中心で、さらに西吉野町の県立五條高校賀名生(あのう)分校から先生2人、生徒8人、復活の際に神輿の担ぎ方を見学した縁で和歌山県橋本市の神社の青年7人が参加しておられるとのこと。背中に「祭」の文字、神社名と住吉大神にちなんだ波の図柄が入った揃いの法被は、復活時に西吉野町の柿関係の会社から寄贈されたものです。

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<境内を出た渡御行列は参道を南西に約200b下り、大鳥居前の広場で掛け声とともに、神輿2台を揺らしたり、高く上げるパフォーマンス。かつては神輿をぶつけ合い「けんか祭り」と呼ばれたことも>

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<そうしている間に今年の当屋地区、平沼田(ひらんた)からの行列が合流>

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<お渡りの総勢約180人でさらに南西に約400m進み、丘の上の御旅所で神事が行われました>

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<神事が終わると、再び神社へ還御。神輿の担ぎ手は大鳥居前で再び気勢を上げた後、今度は上りの参道を経て境内に戻って最後の「ワッショイ!」>

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<神輿が戻ると、氏子役員さんたちによるお餅まき。最前列は子供たち、その後ろが大人で、あちらこちらで歓声が沸き上がりました>

前氏子総代の辰己博宣さん、現氏子総代の中前秀次さんのお話では、氏子さんたちは、柿・梅の生産農家や選果場関係の方が多く、平均年齢は47歳。農家人口は大きくは減っていないとのこと。若い世代は地区外に住んでいても、親世代の住む実家に通って、共に農業をされているケースも多いとか。

奈良県は柿の収穫量全国2位で、柿ハウス栽培では全国トップ。中でも五條市は自治体単位で収穫量全国1位。この実績が神輿復活の遠因になったのかもしれません。

お渡りの賑わいは、神社関係者の皆さんや、多くの地元の方々のご努力と熱意があってこそだと改めて感じました。神輿を担ぐお父さんたちを誇らしげに見ている子供たちが成人して岳祭りを継承してくれることを願いつつ、帰路につきました。 

          
文・写真  保存継承グループ  石井宏子
 
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2019年09月21日

「奈良、時の雫」第3回−かすがの煌めき−保山耕一さん上映会

令和元年9月7日(土)保山耕一さん作品上映会「奈良、時の雫−かすがの煌めき−」が奈良公園バスターミナルで開かれました。保山さんからまず初めに出た言葉は「もう、この時点で嬉しいです!泣きそうです!…なぜかは想像して下さい。」と。(会場からは、「え〜⁉」とざわめきが…)

開演前の反省会
「では、今日も反省から」と始まりました。「なんの反省かというと、費用が50万円以上かかっているので赤字‼」だとか。「でも、今回からいただくチケット代1000円は大赤字だからいただくのではなく、もちろん運営資金もあるのですが、聖林寺修復の寄進のためです。『奈良の文化財保存のために何ができるか』それを考えてのチケット代です。どうぞご理解下さい。」とおっしゃられていました。

そして、今回、最初にご紹介されたのは、直前(数日前)に届いたメールの話。「その人は『行く予定でしたが、行けなくなりました。本当に行きたかったけど、行けなくて』と…。実はガンが肝臓に転移して病院に行かなければいけない。『治療費が要るんです。だから土曜日も仕事をして働かなければいけないから上映会に行けなくなりました』といわはるんです。」

「僕は頭をガーンとなぐられました。」「僕は病気で仕事を失って嘆いていたのに、その人は仕事をしないと治療できないって。」「僕はどれだけ幸せなことかと感じました。そして、その人は今日も生きるために働いているんだと思うと、頑張らなあかんと思ったんです。そうやって僕はいろんな人とつながっています」と。

「僕は目が覚めました」「僕にはやることがある!最後の最後まで全うしないと。必要とされてるんや。」と。そして、「最初から深刻でダメですね。まぁそういうことを感じていました」と言われ「あっ!今日の反省会は5分でやめておけ!って言われているんでした」(笑)と…。

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平城宮跡歴史公園からのお知らせ
国営いざない館、保山さんは「いい展示していますよ〜。そしてスタッフ、売店の人、警備員さん、皆いい人なんですよ」とご紹介。そしてここでは『奈良、時の雫〜平城京跡〜』が常時上映されています(もちろん無料で)しかもアンケートでは満足度95%だそうです!

竹田室長のワンポイントまほろば講座
今回は「猿沢池」がテーマでした。猿沢池のウリは3つで、奈良燈花会・ならまち遊歩・采女祭だそうです。「保山さんの愛情いっぱいの映像を楽しんで下さい」と紹介されました。

上映作品解説「映像詩、かすがの煌めき」
今回は2016年に、春日大社に奉納された作品です。それを春日大社さんに無理を言って、もう一度上映していただけるという、まさにこの瞬間だけ観ることができる贅沢なひとときでした。ディレクターズカットで68分の上映解説は、2015年にさかのぼってのお話からでした。

「その時は病気に仕事を奪われフリーランス、誰ともつながっていなくて・・・」と。
「カメラのキタムラで中古で買ったイオスキス。これで動画が撮れるんやなぁ・・・」
「僕はテレビカメラマンやったけど、やっぱり自分にできることは撮影しかない」と。「好きなものを撮るしかない」と思われたそうです。

保山さんは世界各国の絶景を撮る仕事をした時、病の後遺症でつらいつらい思いをされたそうです。「そんな時に撮りに行ったのが飛火野。(当時)友達は一人もいなかった」そうです。

そして飛火野を愛する書家・桃蹊(とうけい)さんと出会います。「飛火野が僕らを結び付け、縁をつないだのです。気が付いたら3万円のカメラを桃蹊さんに向けていて、僕はテレビ番組風にテレビチックに編集したんです」そして春日大社にご縁のある保山さんは、桃蹊さんに純粋な気持ちで林檎の庭で奉納してはどうかと話を持ち掛けます。

保山さんは、神様と二人っきりになって、神様だけを向いて奉納するのが正しい奉納ではないかとおっしゃっていました。それがさだまさしさんとの出会いでのことだそうです。(「20年前はヨーヨー・マさん、最近はさだまさしさんにつながっています」と言われ、この話はまた後で出てきます)
「春日大社さんにはすべてわかっていただいて、『やりましょう!』と夜中3時に神職さんがたくさん出てきてくれはりました」と。そして「墨の匂い、墨をする音を思い出しながら見て下さい」と。

実は桃蹊さんのご主人は、保山さんと同じ病で他界されて(保山さんはお会いされたことはないそうですが)同じ病だったのが知り合った理由かなと思いました」と。そして、映像の中に「写真の中に男前のご主人がいらっしゃる。いつも横にご主人がいらっしゃるんです。常にどの場所にもいらして見守って下さっている。それでこの作品が作れたのかなと確信しています」と。保山さんは「この映像で気持ち良くなって
いただくのが願いです」とおっしゃって始まりました。

―「映像詩、かすがの煌めき」上映―
春日大社へ、御蓋山へ向かって、二拝二拍手一拝して、無心になって書き続ける桃蹊さん。フランス語の歌詞・メロディと鳥のさえずり、そして飛火野の美しい景色、これがなんとも絶妙なバランスで、会場内は一気に澄んだ空気に包まれます。

そして「春日山にふりそそぐ慈雨。神が与えた命の雫。この雫のおかげで私たちは天と地の間で命をつないできた。雫は流れとなり 春日の地へ」と保山さんの言葉が流れます。

「水はとどめることを知らず、生から死へとすべての命を運んでゆく」
「落ち葉は流れ 流れゆく先は みな同じ場所」

その言葉が美しい春日の映像に溶け込んで一体となっていきます。保山さんの映像・言葉は、まるで神様と私たちをつないで下さっているようでした。

桃蹊さんは、「飛火野は、自分の中で煌めいている場所。力をもらう場所。朝でも夜でも月がなくても星がなくても、私にとっては煌めく場所!」と。
そして、春日大社・林檎の庭で書の奉納が映し出されました。早朝のまだ真っ暗な中、和ろうそくの灯りだけで、「煌」という字ができ上がりました。

書と尺八のパフォ−マンス
薄暗い会場内に、桃蹊さんの気迫のこもった筆が紙の上を走る音と尺八奏者・松本太郎さんの尺八の音が響きわたります。そこに春日大社の映像が流れると、深夜の春日大社・林檎の庭での奉納のよう…。そして、三枚の紙の貼ったパネルにそれぞれ筆を持ち替えて「雲無心」(くもむしん)と書き上げ、最後にこの三枚を横に並べます。(雲無心とは禅語で、「自然に従い何物にも束縛されず、悠々と心静かに生活することのたとえ」だそうです)

尺八奏者の松本さんは「書に音をつけるのは、独特の間がいる。前から準備した曲というよりは音をつける!という感じなのです」とおっしゃられていました。

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そして保山さん登場です。
「僕は、『神様には真心しか伝わらない』という言葉が大好きなんです」と言われ、「どっちを向いて奉納してるねん!というおまつりが、京都でも奈良でもあふれている。それを奉納という言葉で軽々しく使うのはどうなのかな」と・・・。

そして世界的チェロ奏者のヨーヨー・マさんが大仏殿に奉納演奏された時のお話をしてくれました。20年ほど前、保山さんが毎日放送でお仕事をされていた時「僕たちはその準備にカメラ5、6台で大仏様を背景に、大仏様の下で彼を待っていたんです。」

「そしたら彼は、大仏様の方を向いて演奏したんです。僕らはもうパニックでした。でも考えたら当たり前!僕らはそんなこともわからなかったくらいパニックでした」「僕らは『人間ごとき』を相手に演奏することを考えていた。ヨーヨー・マは照明なんて全く気にせず、すべてを大仏様に披露し捧げた。その満足感の顔‼」

「そしたら、また『人間ごとき』がアンコールした。大仏様が『アンコール!』って言いはったらしてもいいけど(笑)そんなことは言いはらへん」「その時のヨーヨー・マの背中がかっこよかった!男が一番かっこいい背中を見せた瞬間だった」と熱く語られました。

― そして、場内には、さだまさしさんの曲が流れます ―

保山さんの春日大社への想いに、さだまさしさんが共感されて実現するお話。
「午前0時を超えて、春日大社にさださん一人。遠くから聞こえてくるさださんの奉納の歌声。保山さんは「しびれた!こんな音楽を聴いたのは初めて」だと。「神様だけを見て、うまく歌おうとかでなく、歌を捧げた。それが僕の心を動かした!」「そこにいた人たちは皆聞くだけで涙が出た。神のため、人のため、一番大切なことを教えてもらいました」と。

そして「僕のカメラで『撮ってほしい』とさださんは言ってくれた。カメラ1台。1カットで。」「さだまさしが中国で何十億円という借金をして、どん底で生きる望みを失った時作った曲。それを僕のカメラ1台だけで撮らせてくれた。和ろうそくの灯りだけで。」

「カメラマンとして30年、このワンカットを撮るため!僕が築いてきた技術も経験もこの一瞬のためだったんだ‼」と。「自分の人生に合点がいった!」と。

「これ僕の30年、35年を込めたカットでした。春日大社花山院弘匡宮司さんが、これは何のためか?と聞いてこられた。さださんはさだまさしをいただいて、さだまさしとして奉納。生きて、生まれてきたことすべてを神に奉納してお返しするといわれました。僕は自分が与えられたことをやりきることに合点がいきました!」と。

しかし一方で保山さんは嘆きます。「そんなさだまさしさんの奉納を奈良の人はぜんぜん取り上げない!悲しい!」「なんちゃらコンサートっていって、お寺でおまつりを奉納するって・・・」「さだまさしに学ぶことが多いです!」とおっしゃっていました。

奈良まほろばソムリエの会による「奈良百寺巡礼〜聖林寺〜」

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さぁ待っていました!今回は、当会より道崎美幸さんが聖林寺のご住職をお招きしてのトークタイム。『奈良百寺巡礼』の中で聖林寺を担当された道崎さんは「桜井は私の大好きな横穴式石室があるところです」と古墳好きにはたまらない桜井もピーアール!聖林寺のご本尊は、子授け・安産の神、お産の時には一緒に汗をかいて応援して守って下さるというありがたいお地蔵様。そんな巨大なお地蔵様のことや十一面観音様のこと、ソムリエ試験でのひっかけ問題「聖林寺のご本尊は?」などをお話されました。

―聖林寺の四季と国宝十一面観音菩薩像の上映―

保山さんによると今まで撮るのが難しく、避けてきたという十一面観音様。こん身の魂をこめた映像を見せていただきました。(いったいどのようにして撮られたのだろうと頭の中は?でいっぱいの映像でしたが、観音様の存在感にただただ圧倒されるばかりでした)

そして聖林寺の倉本明佳ご住職がご登壇されます。和辻哲郎さんの『古寺巡礼』を片手に聖林寺に訪れた白洲正子さんのことなど興味深いお話をしてくれました。例えば「『百寺巡礼』の中で、和辻哲郎さんは十一面観音様を路傍に捨てられたと紹介されていますが、これは間違いで、大切に守られながら聖林寺に来られたのです」等々。
十一面観音様の観音堂は、60年経ち耐震工事が必要で1億円以上もかかるそうです。来年の5月連休までは現在の場所で拝観できるとのこと。「どうぞ足をお運び下さい。そして寄付もお願いします。」とのことでした。(その後、東博や奈良博にも!目が離せませんね〜)


そして、「桜井といえばこの方!」と壇上からお声がかかります「雑賀さ〜ん!」。当会雑賀耕三郎副理事長、今回は「聖林寺の十一面観音様は厳しいお顔をされているでしょ。皆さんを助けて励まして下さるんです。たくさんの人が守ってこられたのです。寄進も大事!ぜひ拝観もしてほしい。そうすると観音様も喜んで下さる!」とお話しされました。すかさず司会の方から、「以上、応援演説でした〜!」と言われると会場はどっと笑いに包まれていました。

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曽爾のススキ上映解説
「曽爾村のススキ、これは4年前の映像です。」と保山さん。「今はこのススキは見られません。栄養がなくなったのか、台風の影響なのか昔のようなススキの海が見られないのはなぜかわからない。見て下さい!感じて下さい!」と。

「当たり前にと思っているものが突然姿を消すんです。奈良を撮影していると、そういうことの連続です!」と警鐘を鳴らします。

「土門拳も愛した、僕の世界で一番好きな造形!それは、室生寺の十一面観音さん。とうとう金堂から運び出されたその時、お寺の人は『もう戻ってこないのか‼』とみんな涙を流されたとか…。ポツンと穴のあいた観音様のおられた場所…」

「自然、家族、友達、いのち、当たり前の中に本当に大切なものがある!ということをススキの映像から見てほしい」と保山さん。そして紹介されました「もう見られなくなった。いつかまた見られることを期待して『曽爾のススキ』」

― 曽爾のススキ上映 ―

保山さん、今回も素晴らしい映像と熱いトークをありがとうございました。皆さんも保山さんと素敵なひとときを一緒に過ごせてご満足のお顔でしたよ〜(^^)

次回は10月5日(土)、ならどっとFM『岡本彰夫の奈良、奥の奥』の公開収録、奈良百寺巡礼は正暦寺、豊田敏雄理事長と鉄田憲男専務理事のご登壇です!またまた楽しみです。(チケットはいつもすぐに完売になってしまうのでお早めに‼)


広報グループ 文:増田優子  写真:松森重博理事


posted by 奈良まほろばソムリエ at 08:43| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月08日

講師養成講座2019 これであなたも講師ができる!〜パワポを使った講演ノウハウ〜

令和元年8月25日(日)、当会啓発グループ主催の「講師講座」が南都銀行西大寺銀行クラブで催されました。今年で6年目(6回目)、鉄田憲男専務理事のこの講座は、この日が最終回で、来年度からは「新入会員説明会」で行われるということです。

まずは啓発グループ担当の大山恵功理事からご挨拶。「講師はどうも敷居が高いようで成り手が少なく、人数が足りていません。皆さんもぜひ手を挙げて下さい。」とお話がありました。会に登録されている講師は、現在25人だそうです。

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第1部・講師養成講座

PowerPoint資料の表紙は、林修氏と池上彰氏のテレビでおなじみの画像が飾ります。
鉄田専務理事は「東京のキー局がやっているのと同じようなことが、パワポという『魔法のソフト』があればできるのです」「大学の先生をめざすのではなく、わかりやすい解説者をめざして下さい」と言われ、始まりました。

講演ではPower Pointが必須!
「パワポというのは圧倒的にわかりやすい。特に聞き手が高齢者の場合は、とても喜ばれます」と。プロの講師を呼んで「講師養成講座」をやろうと調べたところ、講師料が半日で10〜20万円ほどかかるそうです。そこで鉄田専務理事は、今までの職場での研修の経験と関連本をたくさん読まれてこの講演ノウハウを作られたそうです。(なんて貴重なお話!しかも今回はその資料をつけて下さるのだからありがたい。ぜひご一読を!=末尾にPDFを添付)「ソムリエの会はパワポを使ってわかりやすい講演をする、これを当会のウリにしたかったのです!」と。

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「大事なことは、すべてパワポ画面に箇条書きで書いてあるので、思い出しながらしゃべります。大事なことは赤字にしているいるので、見逃しません」「つまり、パワポはお客さんが気づかないカンニングペーパー!これが原稿なしで話せる仕掛けです。講師の強〜い味方なんですよ」と種あかしをしてくれました。

講演の3要素は「知識」「話術」「パワポ制作技術」だそうで、「当会の合い言葉は『インプットよりアウトプット!』。単なるインプット(知識の習得)は冥土の土産ですが、アウトプットを目的としたインプットは大事です」と。「知識は本やテレビで仕入れます。話術は回を重ねることで、次第に上達します。習うより慣れろです」とおっしゃっていました。

そして「画面は4の倍数で」「『!』マークは役に立つ」「画面は急いで変えないで。1画面につき2〜3分かけないと、お客さんは理解できない」「パワポ資料は途中で方針転換しても、それは消さずに置いておくこと。あとでまた使いたくなりますから」等々話されました。

また、初心者の方たちにも気が楽になるように「パワポの上映には失敗がついてまわります。たいがいどこかでつまずく。でももし画面が映らなくても、あらかじめ画面のプリントアウトを配布しておけば、紙だけで話ができるのです」と言われました。
また写真が得意でない人は、「真正面」から「広く」撮ることを強調されていました。

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事前準備
「講演の善し悪しは、準備で『9割』が決まる!」と言われ、「よくわかりました」「とても面白かったです」が最大の誉め言葉。「勉強になりました」は往々にして「難しすぎた」ということだそうです。無料でダウンロードできる写真などを使ってはめ込むと、画面が柔らかい感じになるそうです。良い解説者はポイントを絞っていて、やはりお手本は林修氏や池上彰氏!

(そして何やらごそごそと、まるでドラえもんポケットから出てきたかのように小道具が次々に登場します)

植木鉢の受け皿(100円均一)は、纒向遺跡の太い柱(30p)と細い柱(15p)の大きさを説明する時のイメージに。「真田丸」の講演に登場した鉄田専務理事のふるさと九度山の真田紐は「ものすごく強いんですよ」とか。高野山の町石をかたどった陶器の文鎮(お母様の手作りだとか!)や、平城宮跡出土木簡のレプリカも出てきます。

また卑弥呼の話では、小さな小さな倭王の印(金印と同じ大きさの積み木)。そして卑弥呼の居館の話の演出に使われたのが…「これが出てきたら、確実にここが卑弥呼の居館跡です!」と「『卑弥呼』と書かれた表札〜!」(これには皆さん爆笑でした)
他にも、無料でもらえるパンフレット(『なら記紀万葉・名所図会』の冊子など)は、参考資料にもなるし、お土産に渡すと喜ばれますと紹介されました。

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講演当日の心構え
服装(スーツにこだわらない)や持ち物(レーザーポインタや指し棒は、持参すると安心!)、立ち位置を工夫して「お客さんにお尻を見せないように」というお話。また、「座らずに、できるだけ立って話す」「スクリーンではなくお客さんを見て話す」「途中でトイレ休憩を入れると流れを変えられる」「思いつきで話を挿入するとすとたいてい失敗する」や「『エネルギーボール』(両手に大きなボールを持つようなポーズ)は効果的ですよ」「林修先生の『今でしょ!』のポーズです」などどれもこれも大事なことばかりです。
(皆さんは話に乗り遅れないようにと、真剣なまなざしで耳を傾けていらっしゃいました。)

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その他の注意事項
お客さんに女性が多いと「場」は和むらしく、「おっちゃんは笑わない。『絶対笑うものか!』みたいな人もいます」(笑)「だから、そんなの気にしないで」と。そして大切なのは「自分が話したい」ことより、「お客さんが何を望んでいるか、よく考えて講演テーマを選ぶ」ということだそうです。

良い講師とは
「自分が話せる得意分野を掘り下げて下さい」と言われ、「話し方(話術)は人それぞれ、見本はあっても手本はない!」ということでした。(なるほど!)

著作権、肖像権に関する注意事項
昨年、ある旅行会社のツアーでの他団体のトラブルを紹介され、著作権、肖像権に関する意識を持つことの大切さをお話しされました。そして、画像のフリー素材サイトやパワポデータの圧縮方法なども教えて下さいました。(詳しくは資料をご参照下さい)

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第2部「かるたでわかる!御所・葛城」−鉄田専務理事の講演デモ‐

御所・葛城は、歴史が深すぎて理解するのは難しいということで、地元から「一般市民にわかるやさしい話をしてほしい」という要望が入ります。そこで、「これは『かるた』を使ってやろう!」と思いつかれたとか。(実は、鉄田専務理事、小学3年生の時に毎日友だちと社会科カルタをしていたそうで、覚えた内容を「今でも話せます。」と披露してくれました。)

そして御所・葛城のポイントを当会の『奈良まほろばかるた』から読み札7枚に絞ってわかりやすく講演されました。また、「付属資料をつける」という隠し技も教えていただきました(時間が余った時にすごく役に立つとか)。御所の話では必須の「葛城氏」の話は難しくなるので、今回は付属資料に回し、「興味のある方はお読みください」と。

誰にでも理解できるようにと、おしみなく知識、情報を発信して下さる鉄田専務理事。本当にありがたいです。今回の講演も内容が濃いのに簡潔にまとめて下さり、あっという間に時間が過ぎていきました。そして、参加者の皆さんは、最後まで集中力を切らさずに食い入るように聞かれていました。(ということは、講師の卵がいっぱい!頼もしいです〜(^^))

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第3部「古代国家の成立」−講演予行演習−

当会啓発グループの藤永泰雄さんが予行演習として、「古代国家の成立〜継体から天武、律令国家への道〜」を講演されました。初めての講演で、時間配分も苦心して緊張されたようですが、笑顔を絶やさずに和やかにお話されていました。

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鉄田専務理事や当会顧問の木村三彦さんから「知っていることを全部話すのではなく、ポイントを絞るといいです」「これと決めたものを深く学んでいくと、もっと良くなりますよ」等とアドバイスを受け、参加者の皆さんも自分のことのようにうなずいておられました。

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奈良まほろばソムリエの会は、自分の得意分野を深く掘り下げて勉強して、それをみんなと共有し、高め合って(まさにお互いに「啓発!」しあって)会員同士がつながっていく。そして、奈良の魅力をもっと他の人に知ってもらう。そこが素晴らしくて、「地域再生大賞」優秀賞(2017年)をいただいたのだろうなと思いました。そして、知識・経験豊富な先輩方がたくさんいらっしゃる当会には、どこを向いても先生がいっぱい!新しい会員さんも増えて、学ぶ面白さ、わかる嬉しさ、伝える楽しさ、伝わる喜びが、これからももっともっと増えていくといいなと思いました。

当日のパワーポイント資料


文:広報グループ 増田優子 写真:大山恵功理事、鉄田専務理事
   
posted by 奈良まほろばソムリエ at 09:16| Comment(0) | 啓発G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする