2017年10月25日

保存継承グループ 「うたの秋祭り」(宇陀市)見学記

(惣社水分神社から宇太水分神社への神輿(みこし)渡御(とぎょ)祭を中心に)

「うたの秋祭り」と言えば、毎年10月の第3日曜に、宇陀市の古市場にある宇太水分神社の境内で6台の大きな太鼓台が練り回す、あの賑やかな祭りかと想像される方が多いと思います。しかし、そこには連綿と伝わる神輿渡御祭がありました。

今回は惣社水分神社から宇太水分神社までの神輿渡御行列を追いかけてみました。
平成29年10月15日(日)は早朝から終日、本降りの雨で被写体には雨除けのカバーや雨具を付けていますので、写真の映りが悪いことをお断りしておきます。

(1)宇陀市の芳野川沿いの水分神社(上流から)は3社あります。
 ・惣社水分神社(上社):鎮座地 宇陀市菟田野上芳野(ほうの)698(鳳輦(ほうれん)神輿(みこし)は重文)
 ・宇太水分神社(中社):鎮座地 宇陀市菟田野古市場245(3本殿は国宝)
 ・宇太水分神社(下社):鎮座地 宇陀市榛原下井足水分山635
今回、お渡りを行うのは上社と中社間です。

(2)神輿渡御祭の由来
起源は平安時代まで遡ります。上芳野(芳野川の上流)に位置する、惣社水分神社(上芳野)の速秋津姫(はやあきつひめ)命が夫君である宇太水分神社(古市場)の祭神、速秋津彦(はやあきつひこ)命にお会いになるため、神輿に乗って往復12qの道のりを渡られるというロマンティックなお祭りです。
これがすなわち神輿渡御祭として今に伝わっているお祭りです。

(3)10月15日(日)の神輿渡御行列の行程
7:30 惣社水分神社には、上下姿の地元の役員がすでに集合しています。

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(惣社水分神社前)

7:40 芳野地区の太鼓台(重さは約2トン)が惣社水分神社前に持ち込まれ、100人以上の人々が参加して出発式を行う。
8:00 惣社水分神社前から芳野地区の太鼓台が宇太水分神社に向けて出発。

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(芳野地区の太鼓台)

8:30 速秋津姫命の乗られた鳳輦神輿(以下神輿という)が数十人の人々と共に惣社水分神社を宇太水分神社に向けて出発。(この神輿はレプリカを使用。重文の本物は収蔵庫)
行列には10本の毛槍(1本が1万石を表すそうです)、花笠、先箱、宝箱などが含まれ、江戸時代の大名行列の形式をとっています。

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(10本の毛槍の先導)

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(鳳輦神輿)

9:15 下芳野の藤村家住宅で休憩。途中、手振り槍振りを行う。藤村家住宅(所有者は藤村高史氏)は宝永年間からの大庄屋で約500年の歴史を誇る大和棟の立派な住宅。昔はこの家から長谷寺まで自分の土地を通って行けたそうです。

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(宝永年間から500年続く藤村家で休憩)

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(同 案内板)

10:30 中間地点の菟田野東郷の勝林寺(しょうりんじ)前に到着し宇太水分神社の迎えを待ちます。
11:30 宇太水分神社の神職と氏子らは勝林寺前まで神輿の女神を迎えに行き、秘撰(特別なお供え)として化粧品と栗を神輿に供える。女神はそこでお化粧をするらしいです。

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(宇太水分神社からのお迎え)

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(秘撰(栗と化粧品)は鯛の手前)

12:00 勝林寺前を出発し、松井の天神社前で祭典と槍振を行う。
13:30 古市場の地蔵の辻前で槍振を行い、宇太水分神社に向かう。

(4)宇太水分神社境内
12:00〜14:00 勇壮な太鼓台(宮本、岩崎、松井、佐倉、宇賀志、芳野の6基)が順次境内に入り、練り回す。

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(順次、境内に入った太鼓台が練り回す)

14:00 ごろに神輿渡御行列が芳野からの太鼓台に先導されながら到着。神社境内は最高潮の盛り上がりに。拝殿に神輿を奉納し前日までにそれぞれ例祭を行った各地区の郷社26社の御幣を本殿に奉る。各地区の氏神が揃ったことを示します。
その後、神輿著御の儀(惣社水分神社の女神様が宇太水分神社の男神様のところへお渡りになったことを告げる祭典)が行われる。まず、神輿を本殿の脇にある夫婦杉の根元に奉安し、その後当社宮司が本殿に向かって、惣社宮司が神輿に向かって、それぞれ同時に祝詞を奏上するという珍しい神事が行われます。

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(神輿渡御行列が境内に入場)

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(神輿を夫婦杉の根元に奉安する)

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(惣社宮司が神輿に向かって祝詞奏上)

15:00ごろから還幸の儀(退出):芳野太鼓台→神輿渡御行列→佐倉太鼓台→宇賀志太鼓台→松井太鼓台→岩ア太鼓台→宮本太鼓台の順に各地域に帰っていき終了となります。

大雨の中、ずぶ濡れになりながらの力強い地元の人々の協動作業は、地域のつながりと、伝統を守り継承していこうとする熱い心意気を感じるお祭りでした。

保存継承グループ(文)亀田幸英、(写真)鈴木英一・亀田幸英
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2017年09月09日

第2回ふれあい交流会

まほろばソムリエの会では、グループに属していない会員やグループの枠を超えて交流を図りたい会員が気軽に交流・親睦を深める場として「ふれあい交流会」を設けています。 
「第2回ふれあい交流会」を、平成29年9月3日(日)午後、南都銀行西大寺銀行クラブで開催したところ、22人(会員16人・理事6人)の参加がありました。
冒頭の開会挨拶では、鉄田専務理事から、ふれあい交流会開催の趣旨や、当会の活動についての説明がありました。

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【鹿谷先生の講演「民俗学の方法」】

講演の部では、奈良民俗文化研究所代表の鹿谷勲先生から、「大和のモノ」について、2時間近くに亘って話がありました。
前半では、最初に、柳田國男や宮本常一を例に、身近なものから始めて次第に広げる・事実と解釈を分けるなど民俗学の方法に関して説明がありました。続いて、有形民俗文化財のうちで身近卑近の道具である「民具」を調べる際には、生活者の視点から見ることや、人間との関わりが大切であることを強調されました。
後半では、これまで撮り貯められた豊富な写真により、「モノの諸相」について具体的な説明がありました。会員が見たことのあるモノの写真も多く、会場から良く声があがっていました。特に、祭礼の幟や仮屋、村の霊柩車、掃除機の排気活用、十津川村の六千点の民具が印象に残りました。
最後に、私たちの生活がこれからどうあるべきかを考える際に、民俗文化の蓄積が材料になるので、何をどのように残すかを考えることが重要であると結ばれました。

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【鹿谷先生の講演「モノの諸相」】

懇談の部は、長岡副理事長の挨拶で始まりました。
参加者の自己紹介では、初めて出席された方からは合格に至る苦労話や国際化に必要性などが示されました。意気投合してメールアドレスを交換した方もいました。
最後に、鹿谷先生から、まほろばソムリエの会は有数の知的集団であり、今後とも奈良の文化の保存・活用・継承に努めて「全県全土歴史公園」の実現に貢献して欲しいとのエールをいただきました。
次回の開催は、平成30年3月頃を予定しています。ふれあい交流会への参加を希望される会員の方は、池内まで電子メール( ikeuchi@leto.eonet.ne.jp )で連絡してください。名簿に登録して、次回以降の案内をお送りします。

文 池内 力  写真 鉄田 憲男
 
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2017年08月31日

女性グループ(ソムリエンヌ)活動報告「2017年夏休み家族体験教室in新沢千塚古墳群」(2回目)

8月19日(土)、ソムリエの会と歴史に憩う橿原市博物館との共催企画「夏休み家族体験教室2017 古墳と土器でドキドキわくわく体験」2回目を実施しました。
参加者は26名。内、子供は12名。ソムリエンヌは5名、啓発グループから2名出席。土器復元、紙芝居・古墳散策は2班に分かれ、展示案内を合同で各40分。10時半から12時半まで行いました。

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<受付時の様子>

道崎理事が持ってきた古墳クッションは大人気で抱きしめたり、押したり、チャックを開けたりとにぎやかに受付が始まりました。

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<古墳クッション>

◇土器復元◇
今回は曲川遺跡と新堂遺跡から出土した土器を使用しました。
新堂遺跡は大型店舗建設のため平成28年5月から平成29年2月まで調査され、5世紀の河道から大量の須恵器が出土されたことで話題となった遺跡です。

始めはなかなか合わず「向いてないのかなぁ」なんて話していましたが、かけらはたくさんあって、袋を差し替えて根気よくチャレンジしました。

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<親子でW成功!>

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<くっつくかなぁ? どうかなぁ?>

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<接着剤塗布は慎重にやります>

◇紙芝居・古墳散策◇
「古墳ってな〜に?」「どんなかたちがあるの?」「古墳作りの様子」をパワーポイントでスライド6枚作成し、紙芝居仕立てで説明します。

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<1班の紙芝居風景>

2班の紙芝居実演では古墳の形を説明する場面で先に答えられてしまい、ソムリエンヌはたじたじでしたが、子供たちの積極的な姿勢でお互いの距離が近くなりました。

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<2班の紙芝居風景>

紙芝居の後は、学芸員さんによる古墳案内です。
南群は草が生い茂って歩行が困難と判断し、北群の126号墳に向かいました。

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<北群案内板前で説明>

126号墳は、東西約22m、南北約16m、高さ約1.5mの長方墳です。
透明なガラス椀、コバルトブルーのガラス皿、青銅製熨斗(アイロン)が出土したことで有名ですが、かけらも含めて全て国の重要文化財に指定されています。

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<126号墳の墳丘に上がります>

◇展示案内◇
学芸員さんより縄文時代から古墳時代を中心に人々はどんな生活をしていたのか、出土品を基に説明があったあと、思い思いに展示品を見て回りました。
土偶と埴輪の違いは?井戸枠の板はなぜ穴があるの?など話している内に、あっという間に時間がたちました。

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<展示品にくぎづけ>

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<記念にぱしゃ!>

心配していた熱中症になる人もなく皆元気で終えることができました。
子どもを対象にしたイベントとして企画・宣伝・紙芝居作成など手さぐり状態でしたが、古墳に興味がある参加者が多く、子どもたちも楽しみにしていたと聞くと、やってよかったなと思いました。
宿題代行ビジネス、ネット情報がありふれている中、子供たちが自分で体験し何かを感じ取ることができた一日だったのではないでしょうか?

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<参加者集合写真>

文:女性グループ 寺田麻美
写真:同 大谷巳弥子 寺田麻美

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2017年08月22日

啓発グループ活動報告 「2017年夏休み家族体験教室 奈良市歴史かるた・すごろく製作」

啓発グループ主催の「2017年夏休み体験教室 奈良市歴史かるた・すごろく製作」が8月6日(日)、奈良市学園前の奈良市西部公民館で開かれました。女性グループ(ソムリエンヌ)とのコラボ企画として、奈良市教育委員会の後援を得て初めて開催。啓発グループ12人、女性グループ5人の計17人が協力して運営し、親子ら8組16人が奈良市の歴史に親しみながら、かるた・すごろく作りに取り組みました。

申し込みをしていた親子連れらが午前9時前に次々会場に集まりました。大山恵功・啓発グループ代表の主催者挨拶の後、小学4年〜6年の3組がかるた作り、1年〜3年の5組がすごろく作りのそれぞれの席に分かれ、担当者から製作の進め方の説明を受けた後、かるたグループは絵札描き、すごろくグループはサイコロ作りから作業スタート。

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〈かるたグループ(左手前)、すごろくグループ(右奥)に分かれて担当者が説明〉


◇かるたグループ

絵札描きは、文字ごとの文案と参考写真は主催者が提供し、親子ごとに「あ行」の5枚、「か行」の5枚などに取り組みました。5枚分の枠を記入したB4サイズの画用紙に子供たちは色鉛筆を手に秋篠寺本堂、東大寺戒壇院四天王像、奈良うちわなどを描いていきました。

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〈春日大社・一の鳥居をカラフルに描く小学5年生。「札の枠に描いていくのが面白い」とにっこり〉

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〈担当者(右)の指導を受けトレーシングペーパーを使って東大寺大仏殿を描く小学4年生〉

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〈親や担当者のアドバイスもあり、楽しみながら奈良の歴史・文化に触れる子供たち〉

中にはスイスイと描いて五十音の2つの行の10枚を作成した子供も。全員が絵札と読み札を作り上げ、最後に完成作品をホワイトボードに貼って1人ずつ感想を話しました。笑顔での「楽しかった」「また、来年もやりたい」などの声が担当者の準備の苦労を吹き飛ばしました。

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〈出来上がった「か行」の絵札と読み札〉

◇すごろくグループ

担当者が準備した牛乳パック、画用紙、両面テープなどを元に、親子が一緒になってサイコロ作りから始め、形が出来上がると黒丸の数で数字を書き込むことに。「1の反対側は何の数字やろ」と担当者が問いかけると、子供たちが首をひねる場面もあり、「反対側と2つの面の数字を足すと7になるんやで」と担当者がフォローしていました。

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〈サイコロの形が出来て、黒丸で数字を書き込む小学2年生の仲良しコンビ〉

サイコロが完成すると、次はB3サイズの画用紙を使ってのすごろく作り。どんなテーマのすごろくにするか、スタートとゴールはどこか、主催者準備の観光パンフレットの写真・イラストなどを切り取ってどのように張っていくか、などを親子で相談しあいながら進めていきました。出来上がったすごろくのタイトルは「ならのお寺じん社めぐり」「ならのさくらめぐり」「ならたんけん」など個性たっぷり。

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〈すごろくの描き方を説明する担当者(奥中央)の話を聞く参加者たち〉

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〈親子で力を合わせてすごろく作成。写真などを切って裏に接着剤を塗る親、適当な位置を考え実際に貼っていく子供のナイス分業体制〉

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〈出来上がったばかりのサイコロとすごろくを使った「すごろく大会」。担当者持参のペットボトルのキャップを駒にして盛り上がった〉


夏休みの子供を支援する初の「奈良市歴史かるた・すごろく製作」はひとまず順調にスケジュールを終えました。かるた・すごろく共に、目標とするものを完成させた時の子供たちの笑顔、親子が力を合わせて物を作り上げる姿に接し、「いろいろ大変だったけどイベントをやって良かった」との思いを強くしました。

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〈3時間余りのイベントを終え、参加した啓発、女性両グループのメンバーで記念撮影〉

文・写真  啓発グループ 久門たつお

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2017年08月16日

保存継承グループ 東安堵の六斎念仏(安堵町)見学記

(1)東安堵の六斎念仏とは
生駒郡安堵町東安堵に伝わる六斎念仏は融通念仏宗の檀家で組織する大宝寺六斎講により、盆行事と月毎の営み、葬式で唱えられる民間の念仏です。(奈良県指定無形民俗文化財に平成3年3月8日指定。県内には他に御所市東佐味、奈良市八島がある)
お盆の念仏は8月13日から15日にかけて行われますが、今回は8月14日の檀家を巡る鉦念仏を見学しました。(参加者2名。うち鈴木氏は念仏の音源を残すために録音を担当しました。)
因みに8/13は共同墓地(郷墓)の阿土墓で念仏。
8/15は御布施開き。
 
(2)8月14日は早朝から始まります
5:30頃から六斎講員は大宝寺に三々五々集合し始めます。

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<大宝寺正門>

講員は10名おられますが、今回は8名で行うとのこと。全員揃いの黒衣に和袈裟姿で鉦を持参しています。

5:45から本尊の阿弥陀如来坐像の前に座し、シンバンドウ(新坂東)を約7分唱和します。
*シンバンドウとは「南無阿弥陀仏」の名号に様々な抑揚をつけて鉦で調子を取りながら繰り返し唱和するもので、9番まであり本堂ではすべて唱和します。

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<8名の講員による本堂での念仏奉納の様子>

(3)講員による檀家回り
6:00から8人が4人ずつ2組に分かれて、町内の檀家約110件を内回りと外回りに訪問します。私どもは外回り組に許可を得て、同行しました。
6:05頃、1軒目は笹治様宅です。すでに同家では万全の準備で待機しておられました。
私どもの突然の見学にも快く応諾いただきました。
檀家の仏壇前ではシンバンドウを唱えますが、9番のうち3つで、約3分です。
なお、今年新盆を迎える檀家では9番のうち4つを唱和します。

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<檀家の仏壇前での念仏の様子>

なお、室内の床の間には「南無阿弥陀仏」の掛け軸。
仏壇の荘厳は特徴があるとのことで、許可を得て撮影させていただきました。

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<「南無阿弥陀仏」の掛け軸>

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<特徴的な荘厳の仏壇>

お茶の接待を受け、1軒目終了しました。その間約5〜6分です。
今日はこの後50数件回るそうです。
私どもは一旦引き上げることにしました。

(4)8月14日の締めくくり
13:40過ぎ外回り組、内回り組がそれぞれ約50数軒の檀家を訪問した後、高塚にある観音堂前にゴザを敷いて座ります。

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<高塚の観音堂>

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<観音堂内の3体の石仏>

観音堂内には3体の石仏が安置され中央には聖徳太子像、両脇には観音像が配置されています。前面の道路は旧太子道なので聖徳太子が祀られているのでしょう。
高塚は古墳跡と言われています。

13:48 シンバンドウの念仏開始 13:55終了。
続いて、13:56 ユウズウエコウ(融通回向)の念仏開始 14:04終了。

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*ユウズウエコウとは「光明遍照十方世界念仏衆生」から始まり念仏の功徳を説きます。

このようにして、午後2時過ぎに本日の行事は全て完了しました。
講の皆様、本日は早朝に始まり34度の猛暑の日中、昼食抜きでの檀家訪問大変お疲れ様でした。皆様のお顔は大業の使命感とその達成感に輝いていました。
皆様のご努力で六斎念仏が末永く継続されることをお祈りしています。

なお、東安堵の六斎念仏が平成3年に県指定無形民俗文化財に指定された際に、念仏は録音されて、残されているそうです。講の人たちの話では、その時の鉦の調子は「チャンカラ」と聞こえていたらしく、十数年前から現在の単調なリズムになったようです。難しいことでしょうが、元に戻すことも検討しているようです。

(写真・文) 保存継承グループ・亀田幸英

posted by 奈良まほろばソムリエ at 21:28| Comment(0) | 保存G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする